
このことを庭づくりに当てはめれば、庭の昆虫が多様性に富めば害虫被害は少ないと言うこと。単一植物の花壇は極めて病虫害に弱い。
また一昨日はキノコの研究者の方に「キノコと樹木の関係」を教えて頂いた。「キノコには、腐朽菌という種類がある。腐朽菌は樹木の養分をもとに成長する。腐朽菌が付くと樹木は弱っていく。腐朽菌は健康でない植物を早く分解させることに役立っている。ただし、いくらキノコが菌糸を樹皮にいれたとしても健康な樹木はそれをはねつける、ぜんぜん大丈夫。」(ちなみに松茸は共生菌、松茸が生えている松は成長がいい)
なるほど、この2つの話しをまとめると病害虫の発生は、植物が生育する環境と植物そのものの健康状態に左右されるものであることがわかる。桜並木などでただ一本だけ病虫害に侵されている木や唯一の庭木が毛虫に食われているケースを見る(Photo)。これは、その木の健康状態や、その場所の生態系の脆弱さを物語っている。今まで自然の山や森を見て経験値として知ってはいたが研究者の方の話しを伺うとなるほどと頷かずにはいられない。【2008/09/20】
Photo: 毛虫に食われて無惨なソメイヨシノ、実はこの桜が植えてある場所は地下水位が非常に高く、桜を始め多くの樹々の樹勢は非常に悪い。弱った木は、病虫害への抵抗力が小さい。殺虫剤を撒いたとしても根本的な解決は出来ない。木が大きくなり地中に根を張り始めると根腐れで枝の先が枯れてくる。2008/09@滋賀県旧豊郷小学校の庭
*1:マツカレハはカレハガ科の一種、日本全国に分布。終齢幼虫は体長75mmに達する大型の毛虫で、俗にマツケムシと呼ばれています。毒性はドクガほど強くありませんが、刺されると激痛あり。
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