友人の誘いで「ヴォーリズサロン」(主催:一粒の会=ヴォーリズ建築保存再生運動のNPO法人)*1に参加する。今回は、同志社大学今出川キャンパスの建築群の見学会。最初にヴォーリズさんの生前をご存知の矢野義氏(一粒社ヴォーリズ建築事務所顧問)のお話を聞き、その後、建築を巡る。幸か不幸か今日は同大学の学園祭。はぐれそうになりながら皆さんについて行くのが精一杯。やっと落ち着いたのは、啓明館(1920年竣工:第2代図書館=写真上)、アーモスト館(1932年竣工=写真中)、ふたつともとてもチャーミングな建築。壁面や窓の装飾はもちろん人目を引くが、足元のタイルパターン、階段の隅のディテールの遊びと気配りに感心する。アーモスト館の裏側に和風の近代建築を見る、なかなかきれいなたたずまい(写真下)。こちらは大学のゲストハウス(1961年竣工)で吉村順三氏の設計とお聞きする。ヴォーリズ建築とは異するが、深い軒と縁側とも縁台とも言えるテラス、茶室の続く延段など、こちらもとてもきれいな建築だった。見学後、バザールカフェ(ヴォーリズの設計した洋館=旧B.Fシャイブリー邸 1919年竣工)で一休み、とても快適な空間。その後、寒梅館(同大の施設)のレストラン(言わば学食レストラン)で懇親会、こちらは落ち着かない。やっぱりここでも古い建物の方がより快適で、空間が豊かだった・・・。同大は今出川通りに新キャンパスを建設中。言わずと知れた建築が建つんだろうなと想像に容易い。つまり巨大で立派な建物は建つだろうが、空間に多様性ある街は造れないだろう。【2011/11/26】
*1 NPO法人一粒の会 http://www.ex.biwa.ne.jp/~hitotubu97/indexs.html
*1 NPO法人一粒の会 http://www.ex.biwa.ne.jp/~hitotubu97/indexs.html