写真上=旧水口小学校図書館(1928年、国登録有形文化財建造物)、写真下=水口基督教会館(水口教会 1929年)、共にW.M.ヴォーリズ氏の設計による建物。旧街道に面しているものの町並みの軒先から一歩下がってたたずみ、決して目立たず、しかしきっちり自分の居場所を伝える意匠はさすがにヴォーリズさんの設計。細かなディテールへの気配り、簡素でありながら清潔感にあふれ、なによりもチャーミングだ。このデザインの立ち振る舞いは、京都御幸町教会、今津基督教会館(今津教会)はじめその他の教会にも共通する。こんな建築が身近にある町っていいなと思う。むろん両者とも現在も大切に使われ、あるいは大切に守られている。・・・ただ、ただ残念なことは、せっかく建物がちゃんと守られているにも関わらずその周り、つまり庭にどうしてこんなにも頓着しないのだろうと思う。建物と庭は個別のものではなく、連続して初めて一つの優れた空間になる。かつてそうだったように、もう少し手を加えるだけでその魅力がぐっと増すことは目に見えている。やっぱり残念。【2010/05/30】
2010/05/30
2010/05/29
庭を旅する/第七歩 大山崎山荘美術館 ★★★★☆
アサヒビール大山崎山荘美術館で開催されている「美しきカントリーライフ〜理想郷への回帰とたびだち」=(19世紀半ばから20世紀前半のフランス、イギリス、日本に焦点を当てた芸術家たちが求めた田園での芸術家村コミュニティーが紹介されている)を観に行く。本美術館は、京都・大阪間の天王山の中腹に位置し木津・宇治・桂川の三川を望む、大正から昭和初期にかけて加賀正太郎(1888〜1954)によって建築された「大山崎山荘」(登録有形文化財)を本館として、建築家・安藤忠雄設計による新館(1995年竣工)とともに公開されている。アルピニストだった加賀正太郎が英国で見たチューダー様式の建築に感銘を受け建てたと言われる。なだらかな丘陵の地形を活かした配置と庭園は、なかなかすばらしい。それにもまして驚いたのは新館。古くから存在していたであろう木々と池を中心とする庭園を損なうこと無くコンクリート打放しの構造物をすっぽりと地面に埋め込んでいる。庭園の池、木立越し見える新館の一部は池の向こうに滝があるかのようだった。さすがである。しかし本館と新館の取り合い部など首を傾げたくなるようなディテールも目につく(こんなところは普通の人は気にしないと思いつつ)、また本館テラスの睡蓮池に沿う温室棟の感情豊かなデザインと職人技を見ると今の建築が軽く薄っぺらに見えてしまう(新館が云々ではなく)。加えて、この手の施設にありがちな庭園の維持管理と活用への配慮が十分にされいないことも例外でなかった、つまり庭園木を残せば風景が保てるというのではなく、時には樹木を伐ってでも風景を守らないといけないこともあると言うこと。かつてあったであろう建物と庭園の関わりがさほど大切にされていない、このあたりちょっと残念。写真1:美術館玄関と本館、写真2:庭園越しの新館、写真3:本館テラスと睡蓮池、温室棟、写真4:温室棟(残念ながら入れません)【2010/05/29】参考:アサヒビール大山崎山荘美術館、入館料・一般700円、月曜日休館、午前10時〜午後5時 http://www.asahibeer-oyamazaki.com
2010/05/22
たそがれバラ園そぞろ歩き
2010/05/21
停車場ガーデン/ロックガーデン花盛り
2010/05/17
茶楽10周年祭でガーデニング・ワークショップ
2010/05/15
屋上緑化と地域在来種
2010/05/09
長野・善光寺花回廊2010 番外編/店番
会期中の中日に山野草を中心に販売する中央植物園の店番を一日引き受ける。店に立って草苗を求めるお客さんの動きを観察していると、本気で買うか否か・・・なんとなく判ってくる。本気の買い手は、すぐには手を出さず、じっくり品定め。いけないのは、「あっ、かわいい!」って言ってすぐに手に取り、さんざん持ち歩いた後、気がさめたかのように適当なところに戻して出て行く人。(ユニクロの店じゃないんだから!)この手は若い女性とカップルに多かった。印象的なお客さんがいた、ゆっくりと植物を眺め「おおっ!?」と小さく一言。そして迷うことなく沢山の中から2株を手に取る。気持ちの良いお買い上げ、実に2株で7000円である。一般的な種類ではないのでけっして高くはないが、たかが草と言ってしまえば安くはない。そこで一日店主よりアドバイス、誰も教えてはくれないが、株選びの作法があるとすれば「1)株・苗選びはゆっくりと、2)株・苗をやたらといじらない、3)選んだ株・苗はむやみに持ち歩かない、4)買う時は素早く、5)そして知ったかぶりはいけません、判らない時は尋ねましょう。」買う側(お客)の動きで売り手の気持ちも変わるというものである。手前のテーブルの本は、近くの渡辺書店のご主人のご好意で置かせていただいた。残念ながらこちらは売れずじまい。【2010/05/03】
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