7ヶ月に渡る長い改修工事を終えた府立植物園の宿根草・有用植物エリアに行ってみた。新しいエリアの名は「彩りの丘」。ああっ、なんということだ、予想通りかつての歴史的な面影と生態的な環境は、すっかり無くなってしまった。広すぎる園路はコンクリートの照り返しが激しく、まぶしく熱い、水路はコンクリートの三面張り、植物は四角く囲われた花壇に押し込まれている。これでは単なる「ほ場」ではないか。この改修結果を心から残念に、無念に感じる来園者は少なくないと思う。もしこの改修計画に「設計者」が存在したとすると、僕はこの設計者の「貧困な精神性」と「質」まで判る。当分、ここに行く事はない。【2012/07/15】
2012/07/15
2012/06/24
どうなる宿根草・有用植物園?
「どこにでもある植物園になってしまったな、あの魅力を残して欲しかった」
府立植物園のファンとしての第一印象である。
自分も一人の設計者なので、他人の現場を見ると様々なことが理解・想像できる。言い換えれば、苦悩も工夫も・・・そしてごまかしも、手抜きも判る。今日は、昨年より半年以上に渡り工事(6月30日完成予定)が行われている京都府立植物園の宿根草・有用植物エリアの出来を楽しみに見てきた・・・残念ながらこれは改悪の一言に尽きるのと思う。
僕は現場を見て二つの問題があると思った。
まず一つ目は計画・設計内容:この植物園は他国にだしても恥ずかしくない歴史(*1)と内容だと思う。今回整備されているエリアは昨年までエリア内に二つの小さな池を持ちさまざまな種類のトンボ池の生息地だった、つまり植物と昆虫の生態が連携していた。また園路は「芝生」で多くの見学者が裸足でさまざまな植物を巡り歩くことが出来た。幼児にとっても快適な環境だった。植物の展示はもちろんこと、この2点はエリアの魅力をよりいっそう強くしていた。それが見るも無惨な結果である。池はコンクリートの三面張りの垂直護岸(写真下)。今やこんな工法は古い。園路はコンクリート(写真上)、管理は楽だろうが快適さ大きく下がった。この設計をした技術者は、おそらく今までの魅力を見誤ったのだと思わざる得ない・・・どころかそれまでここに来た事も満足になかったのかも知れない。小さな敷地だからこそ活かせる工夫や魅力づくりが出来たはずである。
二つ目の間違い:施工業者が「植木屋」。 植物園の指導はどこに行った?これでは単なるどこにでもある都市公園造園ではないか。ロックガーデンの配石は造園的でもないし、ましてや自然の岩山のガレ場をイメージするものでもない。ここは植物園である生態的配慮の上で、景観的な造作がされるべきだろう。場づくりの上で生態的な視点を持つ造園家、園芸家に監修を任せるべきである。
植物の充実や生育はこれからの仕事で、5年、10年と良くなっていくだろう。しかし、土台である基盤整備が間違えば、植物園全体の魅力をも左右しそうだ。大きな費用を伴う今回のエリア改修は誰のためか、その目的が見てこない。今日は、場づくりの骨格をつくる計画や設計がいかに大切であるかを改めて感じた。
新しいエリアの完成は6月30日、あと1週間。日曜日も働かせる以上はスケージュルが追いついていないのは火を見るよりも明らか。今日の現場を見る限り無理である。 多分、仕事も荒くなるに違いない、仕事とはそんなものである。
植物園の出口で帰りに「30日に完成できるんですか? 工事中のエリア、前の方が良かったですね」と職員の方に投げかけると、「形だけでもしないとね」そして小さく「そうだと思います・・・」と返ってきた。なんだかもったいない工事しているな。
*1: 日本の植物園では京都府立の植物園日本で最初の公立植物園として、1924年(大正13年)1月1日に開園した。1946年(昭和21年)から12年間は連合国軍に接収され閉園を余儀なくされたが、1961年(昭和36年)4月に再開した。
2010/10/30
森の世代交代
京都では、ナラ枯れ(=カシ枯れ)といってナラやカシの木々の枯死が目立っている。その被害は大変なものである。これはカシノナガキクイムシ(養菌性のキクイムシ)と言う名の甲虫が特定の樹木に集中して穴を開けて中に卵を産み、そして夏に一本の木から7千以上の幼虫が羽化します。この幼虫が食料としてナラ菌を樹木内で培養する。樹木の幹の辺材部でナラ菌が繁殖した場合に、樹木の通水機能が破壊されて木が枯死する。京都府立植物園でも大径木が次々と被害に遭っている。今年夏についに大きなピンオークが枯死のために伐採された。するとどうだろう、木の樹冠がなくなりぽっかり開いた地面には陽光が射し、沢山の樹木の実生(みしょう)が芽ばえていた。親木であるピンオークの実生を始め、クヌギ、ナラガシワ、アラカシ、ウバメガシ、アカメガシワ、トベラ、ケヤキ、エノキ、ネズミモチなどなど、中には近くにないナンキンハゼまであった。きっと鳥達が運んできた樹木の種子が一度に芽ばえたのだろう。その他、草本類も沢山生えている。この一部を除き、周りの樹林の下には枯葉ばかりで苗木なんて全然ない。これも森の世代交代と言ってもいいかもしれない。でもドングリをつける樹木が短期間に、しかも多量に枯れた時に、その種子を食料とする野生動物にとっては死活問題だ。山野に多様な樹木が、多量に生育する環境が不可欠である。この食料問題は、野生動物の問題ではなく、明日の我々人間の生活にも置き換えられる。@京都府立植物園【2010/10/30】2010/09/03
2010/04/08
夜桜/京都府立植物園
2009/03/31
植物園のとっておき
登録:
投稿 (Atom)




