2008/09/01
今日の庭/近江兄弟社小学校前庭
ボーダレス・アートミュージアムNO-MAのワークショップ(*1)で、近江兄弟社小学校にいった(今日は河童と絶滅危惧種の話し)。予定時間まで教育会館(登録文化財、1931年築)の軒下でコーヒーを飲みながら芝生の前庭を眺め時間を過ごしていた。低く深い軒下のベンチに座るととても落ち着く。目の前には、環境に配慮した(エコロジカルな)花壇(*2)、緩やかな芝生の築山、ウスバキトンボ(*3)が群れ飛び、樹々越しに旧ヴォーリズ自邸(現・一柳記念会館)が見える。ここは近江兄弟社学園のなかでも僕がもっとも好きな場所の一つである。一般的に学校は規模の大きな建築の部類に入る。しかしながらヴォーリズさんの建築には、このようなこじんまりとした空間が適所に用意されている。使う側への心遣いに溢れている。おそらくこの軒はこの建物のオリジナルだろう。前庭の芝生の築山は、過去の写真から判断すると後から造られたものの様だ。しかし教育会館の軒空間との相性は大変に良い。いつの時代に造られたかは知らないがヴォーリズさんが考える建築を十分に読み取った結果と思う。軒下空間は建築のようでも、庭のようでもある。見事なまでの空間づくりだ。現代の建築は、住宅も公共建築も肥大化する傾向にあると感じる。このようなあいまいな場所(無駄な場所?)も少なくなる。ましてや庭は二の次でいい・・・。これは限られた敷地にさまざまな便利と機能を求めるが故の結果かもしれないが、私はすきにはなれない。その場に身をおいた時の時間がまったく異なるからだ。今、ヴォーリズ建築が注目されている。なぜだろうか?この空間を訪れ、時間を過ごすと特有の暖かさと落ち着きがあることに気づく。これこそがヴォーリズさんの建築哲学なんだろうなと思う。【2008/08/31】
*1「地域交流事業2008年夏」右の「つながり」でご覧下さい。
*2「庭を旅する/第一歩・近江兄弟社小学校の花壇」参照
*3 ウスバキトンボ(薄羽黄とんぼ):毎年東南アジアから飛来して、世代を繰り返しながら北海道あたりまで勢力をのばす。関東あたりでも越冬はできないと言う。アカネ(赤とんぼ)の仲間ではない。お盆過ぎから数を増やす。風に乗るのが上手く、ほとんどとまること無くゆるゆると飛び続けている。 The・Gallery・Ikimono/「旅するトンボ」をご覧下さい。
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3 件のコメント:
いつもながらのすばらしいレポート。
あの携帯のカメラでここまで撮れるとは、河合さんの眼力、感性にはいつもながら感服します。絶滅種の大型紙芝居もよかったです。
あたり前の庭、あたり前の心遣いをもった空間なのですが、その気持の良い場所・質の高い空間で毎日を過ごす子ども達が羨ましいですね。これが学校のDNAを生み出すものの一つかも知れません。
あたり前の庭
私も大好きです。
あのベンチに座り、いつも大きく深呼吸します。すごく気持ちいいです。
子供たちだけでなく、私たち訪れる大人も心癒してくれる空間ですよね。
大好きです。
この写真の空間。。。。。。。。。
絶滅種の大型紙芝居見たかったです。
残念。。。
そのとき、私は、疲れて地べたで、寝てしまいました。
でも、地元で違う形でがんばっていました。
くたくたになって。。。。。
自分が何かにお役に立てるっていいですよね。
どんなヶ疲れたって。。
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