2009/02/13

職人を観る設計者・設計者を観る職人

 昨年より芦屋で個人のお庭の工事が始まっている。机上での設計作業がおわり実際に工事が始まると,設計監理という作業が必要。設計監理とは,設計時に想定出来ない現場の状況,数々の変更,材料の最終確認などを含め,いわば「庭づくりの監修」作業。今日はテラスとなる箇所に鉄平石を張る作業を見る。工業製品と異なり,現場に届く鉄平石(自然石)は,形ばらばら,厚さばらばら(この石は層状に剥離するから),色の変化も大きい。このような自然の素材を扱う時の出来不出来は,最後は職人のセンスに左右される部分が大きい。この現場の石張り職人達の作業を観ていると,実に手際がいい,石の配分も良い,目地の入れ方も申し分ない。形がバラバラの石を手に取り,据える場所に仮置きをして,適切な形にハンマーで割り,欠けさせ,張っていく。その石を割る作業は,時には数ミリ単位での調整。現場では設計者が職人を,職人が設計者を観ている。出来がいい時は良い,悪い時は悪いと,明確な指示が必要となる。場合によっては職人が設計者を見定めする状況もある。なかなか緊張する時間。でもここの踏ん張り一つで仕上がりに大きな差が付く。良い職人と出会うと本当に嬉しい。【2009/02/12】

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