京都市立K川小学校5年生160名と森歩き。プログラムには「野鳥観察」とあったが今の季節、野鳥観察は難しい。すっかり繁殖期を終えた鳥たちはそんなに鳴かないのである。鳴かない鳥たちを森から探すのはなかなか大変な作業だし、そもそも午前・午後半数に分ての森歩きだが限られた時間の中、これだけの人数が一度に歩くと鳥も出てこない。そんな訳で何と出会えるのかわからない森歩きとした。午前班の記録:9時40分林道の斜面でジムグリ(蛇)、9時50分ツガの幹にカマドウマの仲間(コオロギの一種)、10時00分シマヘビ発見、ヘビを捕らえて子どもたちに触ってもらう。男の子も女の子もどんどん触る。そろそろ放すぞ言ってもまだまだ触る。ヘビには大災難と思ったがこんな機会もめったに無いので捕らえた。捕らえた時にほんの少し噛まれた傷口から血が出ているのを子どもたちが心配してくれる、でも大人がぎゃぎゃ騒がなければヘビだって怖くない生きものと体験できる。もちろん近寄ってはいけないヘビの話も忘れてはいけない。10時10分イノシシのぬた場、10時20分ヤマアカガエル(もちろん触る)、10時25分ナナフシ(やっぱり触る)、10時30分カミキリムシの仲間(さらに触る)、10時40分上空にクマタカの飛翔を見る(山頂にて)、10時50分オオセンチコガネ(鹿の糞を食べるコガネムシ)、うんこを食べると言った時にはひき気味だった子どもたちもその体の不思議な赤紫色に輝くコガネムシに惹かれ手に取り見る。でこうやって見ると5〜10分おきにちゃんと生きものが登場しているではないか、しかも太く短いほ乳類の大腿骨なんかも見つけて大はしゃぎだった。一緒に歩いた先生方からは「汚い、危ない、触るな・・・」そんな言葉が一切無いすばらしい教育。さらに僕がすごいと思ったことはM先生(写真後ろ姿)のザックには前日拾った鹿の大きな骨と、この時の大腿骨が収められていたことだった(もちろんビニール袋に入れてだが)、後で聞くとちゃんと調べるためだそうだ。こんな魅力的な先生のもとで子どもたちは惜しみなく好奇心を開き、自然の不思議に引き込まれていくんだろうなと思う。彼らの体には「好奇心菌」みたいなものがびっしり着いているに違いない。植物が健康に育つには「土壌菌」が必要、子どもが心身ともに健康に育つには「好奇心菌」が大切。一日楽しい森歩きだった。【2010/09/06】
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