2年前に設計依頼を受けたお寺の庫裡の庭がようやく完成した。設計に取りかかってからほどなくイメージと設計図は出来上がったが、本堂修理に加え大屋根の葺き替え工事に時間がかかってしまったため庭の完成が遅れた。しかし、そのお陰で敷地周辺に残る歴史的まち並みや自然環境をサーベイし、設計内容を改め見ることが出来たことは大きな収穫だった。
庭に使用した主木(モチノキ)と石材の全て、手水鉢は、隣家にあった古い庭園を撤去した際に家の主から貰い受けたもの、瓦は昔の大屋根に使われていたものである。すべては新しい庭の素材としてかけがえの無いものであり、その出会いに感謝する。庭の工事が進むにつれ、道行く人の視線を感じるようになった。日ごとに樹木が増え、景石が据えられる庭の存在は誰しも気になるらしい。庫裡の座敷からの風景はもとより道行く人も楽しむことが出来る庭づくりを心がけた。(竣工/2008年7月 設計/アトリエ風 施工/新庭園)
【庭づくり通信2008/7/25】
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