2012/07/10

電気エネルギーと教育エネルギー

  電気エネルギーと教育エネルギーがつながっているなんて思いもしなかった。

京都市で計画停電が実施されると・・・授業に障害がでるというので公立小中学校や大学までもが一部休校または休講を行うと報道された。

京都市の場合、午後6時の段階で翌日午前に計画停電が実施される見通しになれば、対象地域の公立小中学校は午前中が休校になる。市教委によると、給食がある学校では準備が間に合わないなどの事情があり、停電が回避されても午前の休校は変わらないという。さらに「大阪市では、当日2時間前に午前中の計画停電の実施が決まれば、対象地域の公立小中学校が終日休校になる。市教委は「火災報知機が作動しないなど安全上の問題」と説明。」

さて西隣の大阪では・・・
大阪市教委:小学校は臨時休業。午前に計画停電実施の場合、確定情報が8:30頃に入るため、児童登校後、すぐに下校。緊急の下校に備えて、お子さんに鍵を渡しておくなど、ご家庭で十分に話し合いを。

これには、どこまで「貧困な精神の教育」と言わざる得ない。電気がなければ教育が出来ないのか。おまけに火災報知機まで取り上げての問題視。関電とグルになっているとしか言いようのない内容。

僕はいくつかの国を旅して、経済的には貧しくとも精神的に豊かな国をいくつも見てきた。満足に教材も、教室もなければ、電気もない、でも教育はされていた。子ども達は優しく、好奇心に満ち、生き生きとしていた。

建築家W.M.ヴォーリズ氏設計の旧豊郷小学校(1937年)は、電灯を使用しなくとも子ども達が学校生活を楽しめ、授業が出来る様に明るく陽光を取り入れる窓の配置を行っていた。電気がふんだんに使用できない環境・時代において教育環境への工夫がされていた。

そのような事を思うと、今回の計画停電は「自分たちが生きる時代と未来」を考えるまたとないチャンスである。なぜ電気不足するのか・電気は必要なのか、リアリティのある授業が今なら出来る。電気を思う存分、温泉地の湯があふれるごとく使用している下で、省エネとかいってもなんら説得力がない。 今こそ、今だからこそ出来る教育をしないといけない。結局、教育にはエネルギーが、原発が必要なのか? 教育には先生のエネルギーが必要なんじゃないの? 国語算数理科社会音楽・・・どれも「停電」を切り口に授業できる。さらに愚かなことは、京都・岩倉にあるS大学までもが 同じことをするらしい。大学でである。時には外で講義をしてもいいじゃないか!むしろ学生は喜ぶ。
これらの対処はまったく職務放棄としか理解できない。むしろ現場の先生はそんなこと思ってもいないと信じたい。一番の問題は上の教育委員会の問題か。

一方、「留守家庭の子どもを預かる市の事業も休みになる。小5男児がいる同市東淀川区の会社員の女性(40)は「子どもを薄暗い自宅に置いて仕事に行くわけにいかない」と心配する。」こんな声もある。やっぱり学校はどんな時でも子ども達のことを第一に考えないといけないと思う。こんな時こそ子ども達の生活に学校が必要なのだ。

では他所はどうか・・・こちらはいたって健康的でまともな対処。
大津市教委:計画停電で給食の調理場が使えなくなる事態に備えて、調理場がある地域で停電の可能性がある日はその管内の小学校の給食を取りやめ。これを受けて、5日は、市内の37の小学校のうち16の小学校で子どもたちが弁当を持参。
神戸市教委:計画停電が実施されても通常通り公立小中学校の授業を行う。小学校では、パンと牛乳など簡易給食にする。
和歌山県御坊市:市立学校給食センターがオール電化のため、市立の小中学校や幼稚園で弁当持参を要請している。
和歌山市教委:市立小学校の給食をやめ、午後は臨時休校にする方針。

どうせ給食の現場でも、食べ残しが多いのだからいっその事、停電時は断食してもいいくらいである。「断食」を勉強にすればいい。「断食」をする国はいっぱいある、国際理解教育って学校でやっているではないか。

そもそも、停電がそれほど問題になることか? 一日くらい電気がなくってもなんら不自由しない、外で授業をすればいい・・・校舎や緑の木陰ですればいい。
そんな時のためにも学校キャンパスは、緑豊かでものすごく素敵でなければいけない。

不自由は、自由なのである。

災害時・非常時には学校は避難場所となる・・・そんな時は電気はおろか水もこない事ぐらいだれもが承知している。日常的にこのような判断がされている自体、今までの災害の教訓はおろか、リスクマネージメントに欠如していると言わざる得ない。

電気がこないから授業はしません、出来ません・・・こんな教育現場(教育委員会)の職務放棄的判断と大津市のいじめがつながっているとしか僕には思えない。問題の質と場所は違えど、その根っこは同じと思うのだ。つまり「職務放棄」であり、「加害者」なのである。
【2012/07/05】

2 件のコメント:

しん平 さんのコメント...

全く同感!
河合さんを文科省大臣に。
教育行政を自然随順の精神でデザインし直してください。

アトリエ風 さんのコメント...

教育指導要綱に「停電時の授業の仕方」って書かれる? 
はやく各校に自然エネルギーの設備が備わり、商用電力に左右されない環境整備を望みます。これなら災害時にも大丈夫。現場の先生方でここまで議論がされればいいんです。