2012/01/08

森の建築と自給自足



 今日は、愛知県伊良湖岬にある「ゆずりは学園」(不登校・引きこもり、アスペルガー症候群の子と家族を支援するフリースクール)の見学、K先生ご夫妻に学園を案内して頂く。学校の裏山には三河湾を一望できるゆずりはの森がある。森の斜面の地形と樹木を活かし、ピザ窯や展望台、休息所が至る所にある。なかでも僕の目を止めたのは大きな生き物の巣のようなツリーハウス。それはまるでツムギアリ(樹の葉を紡いで巣を造る樹上生活の蟻)の巨大な巣である。梯で上に登れば内部はまるで飛行船の様でもあった(飛行船の内部って入った事無いが)。構造は木の枝が三角を作るように組まれている。全ての枝はシュロ縄で互いに結ばれ、釘は一切使われていない。全てが三角形の組み合わせなので強度も十分、全体的には球体になる。こちらが動けば何となくぎしぎしとその振動と重さを全体で支えている。座ればほどよく隙間から外の様子が伺える、きっと外からこちらの様子は見えないだろう。屋根は板と水田の畦に使う農業資材。お茶と本があれば何時間でも過ごせそうである。次回は寝袋持参で行こうか。
 森の次にK先生に案内されたのは、学園から車で20分少しの距離にあるNさん宅。Nさんご夫婦は電気以外は生活のほとんどを自給自足生活をしている。お米、野菜、シイタケはもちろんの事、豆腐、小麦粉まで自給自足と聞く。さらには裏山に自生するヤブツバキの実から搾油(ツバキ油)する。この油は極めて酸化しにくく、髪や手肌の保湿から揚げ物用油、サラダ油など生活に必要な油をすべてまかなえると言う。ツバキの実250gから約100ccの油が採れる。しかもツバキの実は半年近くの間、採取可能という。一度に搾油できる量は少ないが、自給自足の生活においては、その作業に無理が無く効率がよさそうである。Nさんに出していただいた琵琶茶と和菓子(サツマイモと玄米が素材)はいずれも自庭で採れた材料を使ったお手製。ツバキの葉におかれたお菓子(写真下)に花一輪が添えられ、なんとも美しく大変においしかった。肩肘はらずにさらっと自給自足、まったく羨ましい生活だった。多くの方々に感謝の一日。【2012/01/07 】

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