2010/04/13

オープンガーデン オブ 信州/イエローブック

 「オープンガーデン」という言葉・行為がある。これは英国で1920年代、庭園をもつ人々がそれぞれの庭を一般に開放し、社会貢献しようというムーブメントから始まった。そして現在ではイギリ全土3500箇所以上でオープンガーデン活動がされている。そのガイドブックは「イエローブック」と称して毎年3月に発行され、駅のキオスクでも簡単に入手できる。現在、日本でもそのオープンガーデン活動が行われつつある。そんなオープンガーデン活動団体の1つ「オープンガーデン オブ 信州(OGS)」の春の総会(4月11日)で庭についての話をする機会を頂いた。今回、僕が選んだテーマは「庭にはイノチの風が吹く」。話の前半は「庭への日頃の思い」、後半は「庭を旅する=イギリスの庭」の話をした。

 ちょうど前々日にニュースで小学生の体力低下の話題があがっていた。その原因として「子どもが遊ばなくなった」からだそうだ。対処として「授業の前に遊びの時間を導入する」とあった。ああっ、どうしてこんな馬鹿なこと考えるのかなとあきれた。なぜなら、小学校で国語、算数、理科、社会・・・そんなことを教える前に教えないといけないことがある。それは本当の遊び、生きるための知恵。
遊びの基本は「自分の責任で自由に遊ぶ」、そしてその展開として例えば・・・土を掘る(盛る)、水を汲む(撒く)、木に登る(降りる)、ひもを結ぶ(ほどく)、物を切る(直す)、火をつける(消す)、育てる(殺す・枯らす)がある。 (これこそが遊びだ。遊びに体力増進なんて目的をつけるのはメタボな脳みその持ち主に他ならない)だが今学校では、「遊びの時間を用意するから皆さん鉄棒で、ボールで遊びなさい。体力をつけるのですよ!」と言っている。先に馬鹿だなっと思ったことは、そんな時間を用意しなくても学校ならどこにでもある「花壇」や「空き地」を舞台に庭いじりをすればいい。結果として「独自の花壇や菜園」ができる、いずれ起こるであろう「自給自足」の練習にもなる。庭いじりにはすべての学問が入っている。庭で国・算・理・社会の授業をすればいい。半年後に現れる「遊びよりも勉強を!」と先生に詰め寄るモンスターペアレンツも納得するいい訳もできる。
 「オープンガーデン オブ 信州」の会員の皆さんと話して気づいた、皆さんがしている「庭いじり」こそ遊びの本質そのもので、本気で遊んでいるからこそ皆さん魅力的でお元気なんだと。庭いじりには遊びの要素がすべて入っている。つまり魅力的な子ども、子どもの魅力を育てるには「庭いじり」が一番いいと話をしなが本気で思った。写真は2010版オープンガーデン オブ 信州イエローブック【2010/04/12】

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