2008/08/10

庭を旅する/第二歩 京都府立植物園 ★★★★★


 京都府立植物園は京都市街北部、加茂川のほとりにある。大正13年(1924)1月1日に「大典記念京都植物園」として開園。第2次大戦中は園内に菜園が設けられ食糧増産の場になり、戦後は昭和21年(1946)から12年間連合軍に接収された。このとき多くの樹木が伐採されるなど苦難の時代が続くが昭和36年(1961)4月、憩いの場、教養の場として再び開園。その後、日本の森、洋風庭園、温室、植物園会館、北山門を完成するなど、40年近くの歳月をかけ、平成16年(2004)には開園80周年を迎えた。園の南半分は、バラ園、噴水や滝のある沈床花壇よりなる人工的な庭園。これに対し北半分には、園内唯一の自然林である半木(なからぎ)の森や植物生態園など、北西部角には宿根草・有用植物園がある。温室は、面積・栽培植物の種類ともに日本最大級。ただ残念なことに近年、園内に植栽展示されている苗の盗掘が絶えないと聞く。まったく残念なこと。 さて、植物園の楽しみの一つに入口で配布されている手書きのマップ「きまぐれ便り」(無料)がある。このマップ、園内を散歩する時に大変に具合がいい。以前、だれが書いているのか疑問だったので調べてみた。驚くべきことに2004年12月16日の創刊より園長さん自らが描いたものだった。今年3月には、創刊号から2008年3月29日号(No.175)すべてが合本・刊行された。これは園の歴史資料と共にまとめられた貴重な記録だ。(上のイラストマップが「気まぐれ園だより」夏休み植物園の12以上の楽しみ方版)
 私が植物園を訪れた記憶は小学生低学年の頃までさかのぼる。その頃たびたび父親に連れて来てもらった、その時の園内の様子はすっかり忘れてしまったが不思議と五葉松の名前と場所だけは深く覚えている。きっと五葉松の涼しげな葉姿と樹形の風景、そして何よりも松林一帯に漂うすっきりした空気が体のどこかにきっちりと記憶されている。「たった200円で一日たのしめるやんな〜」とは、園内ですれ違った学生カップルの会話。みなさんも是非、遊びに来て園内にお気に入りの場所や樹木を見つけてください。
「樹木に親しむことは、優れた童話を読むのと同じような効果がある。(松谷茂園長のことば)」まったく同感である。【2008/08/10】
●入園料:一般200円・高校生150円・小中学生80円 但し温室観覧料は別途必要 年中無休(年末年始を除く)午前9時〜午後5時(入園は午後4時まで)夏休み開園時間延長7/19〜8/17 9:00〜18:30 
●行き方:地下鉄北山駅、改札を出て地上に上るとすぐ入口、徒歩3分
●http://www.pref.kyoto.jp/plant/index.html

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