2012/06/25

木の回廊/床仕上げ(2)

 木の回廊の床舗装も残すところあと一日。床舗装の後は、柱コンクリートの仕上げ作業。これが完成すれば木の回廊の全ての左官工事が終わります。【2012/06/25】

2012/06/24

どうなる宿根草・有用植物園?

 「どこにでもある植物園になってしまったな、あの魅力を残して欲しかった」
府立植物園のファンとしての第一印象である。
 自分も一人の設計者なので、他人の現場を見ると様々なことが理解・想像できる。言い換えれば、苦悩も工夫も・・・そしてごまかしも、手抜きも判る。今日は、昨年より半年以上に渡り工事(6月30日完成予定)が行われている京都府立植物園の宿根草・有用植物エリアの出来を楽しみに見てきた・・・残念ながらこれは改悪の一言に尽きるのと思う。

僕は現場を見て二つの問題があると思った。
 まず一つ目は計画・設計内容:この植物園は他国にだしても恥ずかしくない歴史(*1)と内容だと思う。今回整備されているエリアは昨年までエリア内に二つの小さな池を持ちさまざまな種類のトンボ池の生息地だった、つまり植物と昆虫の生態が連携していた。また園路は「芝生」で多くの見学者が裸足でさまざまな植物を巡り歩くことが出来た。幼児にとっても快適な環境だった。植物の展示はもちろんこと、この2点はエリアの魅力をよりいっそう強くしていた。それが見るも無惨な結果である。池はコンクリートの三面張りの垂直護岸(写真下)。今やこんな工法は古い。園路はコンクリート(写真上)、管理は楽だろうが快適さ大きく下がった。この設計をした技術者は、おそらく今までの魅力を見誤ったのだと思わざる得ない・・・どころかそれまでここに来た事も満足になかったのかも知れない。小さな敷地だからこそ活かせる工夫や魅力づくりが出来たはずである。
 二つ目の間違い:施工業者が「植木屋」。 植物園の指導はどこに行った?これでは単なるどこにでもある都市公園造園ではないか。ロックガーデンの配石は造園的でもないし、ましてや自然の岩山のガレ場をイメージするものでもない。ここは植物園である生態的配慮の上で、景観的な造作がされるべきだろう。場づくりの上で生態的な視点を持つ造園家、園芸家に監修を任せるべきである。

 植物の充実や生育はこれからの仕事で、5年、10年と良くなっていくだろう。しかし、土台である基盤整備が間違えば、植物園全体の魅力をも左右しそうだ。大きな費用を伴う今回のエリア改修は誰のためか、その目的が見てこない。今日は、場づくりの骨格をつくる計画や設計がいかに大切であるかを改めて感じた。

 新しいエリアの完成は6月30日、あと1週間。日曜日も働かせる以上はスケージュルが追いついていないのは火を見るよりも明らか。今日の現場を見る限り無理である。 多分、仕事も荒くなるに違いない、仕事とはそんなものである。

 植物園の出口で帰りに「30日に完成できるんですか? 工事中のエリア、前の方が良かったですね」と職員の方に投げかけると、「形だけでもしないとね」そして小さく「そうだと思います・・・」と返ってきた。なんだかもったいない工事しているな。

*1: 日本の植物園では京都府立の植物園日本で最初の公立植物園として、1924年(大正13年)1月1日に開園した。1946年(昭和21年)から12年間は連合国軍に接収され閉園を余儀なくされたが、1961年(昭和36年)4月に再開した。

2012/06/23

木の回廊/床仕上げ

 台風の雨風を避けて一休みしていた木の回廊の床仕上げも再開。今日は回廊の東半分の床部コンクリートの打設(だせつ)と、表面のハケ引き仕上げまで進んだ。レンガ部にはコンクリートが付着しない様に養生テープ(以前のT工務店の現場では再三の忠告にもかかわらず養生テープを貼らずに工事を進め、あとで大変な作業が出てしまった)を貼り、丁寧な仕事が続く。職人さんもこちらの意図を汲み取ってくれる様になった。西半分は月曜日にコンクリート打設がされます。 @浅小井【2012/06/23】

2012/06/19

木の回廊/モザイク平板

 木の回廊の床部縁のレンガ縁石は施工完了。毎柱間に「モザイク平板」が入ります。全部で14箇所あり、まずはその位置決めと型枠設置。今回は14箇所の内4箇所をモザイク作家の外村まゆみさんにお願いしました。残りの10箇所は今後、小学校の卒業記念や子ども達の作品が入る様に工夫しました。
 まず最初に入るモザイク平板(大理石を細かく割って絵を描いています)が現場に届きました、絵柄のモデルは浅小井の新しい校舎を守る4匹の神様(生きもの)です。 ご紹介はもう少し先にします。表面に貼った保護のためのテープは完成までとりません。【2012/06/19】

2012/06/18

木の回廊/基礎の色試作

木の回廊の基礎柱は、コンクリートですが表面は「松煙」を混ぜたモルタル仕上げです。柱の色に合わせた少し凝った仕上げです。左官の職人さんに色見本を作って頂きます。実際は試作品よりもう少し薄いものとしました。【2012/06/18】

2012/06/16

アジサイ・アナベル

一昨年、完成した学校の小庭園に西洋アジサイ・アナベル(学名:Hydrangea arborescens 'Annabelle')が見事に花を付けました。つぼみの頃には緑色で,開くにつれて薄緑から純白の花に変わります。株はまだ大きくなっていませんが、今後成長と共にたくさんの花が集まった花房は直径が20cm以上にもなるでしょう。雨の中、純白の花が目立ちます、雨粒が花に溜まり少々重たそうです。@近江兄弟社学園 【2012/06/16】

2012/06/14

バショウの移植

 学校の敷地内にあるバショウ(芭蕉)の移植を行いました。バショウ科(Musaceae)は単子葉植物ショウガ目に属する多年草(木ではなく草)。バショウの分布はショウガ科と似て熱帯を中心に分布するものの比較的耐寒性は高く、このバショウも雪をかぶるとすっかり巨大な枯れ草然とするが、春になれば大きな葉っぱを茂らせるなかなかの生命力を持っています。果物は小さなバナナ形だが生食にはむかないが加熱すれば食べれるし、花は野菜炒めにして利用、葉はお皿やテーブルクロスにも使えます。学校に一株あれば利用価値大です。
 今回は施設整備のために移植する事にしました、こんなに利用価値のある植物を伐採する訳にはいきません。まず移植のために上部の葉は落し、まわりの土を掘って株分けしました。バショウの根を見るのは初めてです、木の様に太い根や直根はなく、ひげ根ばかりで地表に近いところを這っていました。株分けをしたので少し貧相になってしまいましたが、夏にはまた大きな葉を出してくれそうです。@浅小井【2012/06/14】

2012/06/13

木の回廊/縁石工事

 木の回廊の床部縁石工事が進んでいます。職人さんに最終的な高さ、勾配の指示を出しました。雨が吹き込んだ時に床に水たまりが出来ない様に排水勾配が必要です。この勾配だけを考えると、回廊中央部を高くして左右に勾配をつけるのが望ましいのですが、約50mの直線の長さを考え、かまぼこ状態に感じない様に最低の勾配とします。今回は左右の縁より中央部を12mm高くします。今回の縁石はレンガを使用しています。今週いっぱい縁石工事、来週から床部のコンクリート工事です。@浅小井【2012/06/13】

2012/06/09

木の回廊/色塗り補修

 着々と完成に向かう木の回廊木部の着色補修を先生方と行う。足元では左官屋さんが基礎柱の補修を行う。来週から床部の舗装工事、照明工事が始まる。@浅小井【2012/06/09】

2012/06/05

小学生と水辺の植物を植える

 小諸市の停車場ガーデンの隣に今春出来た「せせらぎの丘」のせせらぎ周辺に地元・坂の上小学校2年生児童65名と水辺の草花をワークショップで植える。なにぶん小さな草花苗の根が弱いのと、一株ずつだとどこに何を植えるかの判断が難しいので今回は特別な手法で植え込んだ。
称して「春巻き方式」=小振りの麻袋に客土を入れ春巻きの様に丸め端を麻ひもで結わえる、次に丸めた麻袋の表面に×印に切り込みを入れ、そこに苗を植える。この方法だと平らな場所で作業ができ、苗の扱いも楽、土の流出も防げる。この春巻き型草苗ポットを水際や、水辺の土に植え込んだ。作ったのは全部で31個、園路に並べるとたくさんに見えたが実際に植え込んでしまうと自然に収まった。しかしながら小学2年生の個人的な能力も手伝って、個人個人でそのできばえに大きなばらつきが出てしまった。これには「少し適当でなかったのでは?」と言う意見を関係者からもらったが、決してそうではない。お陰で新しいグッドなアイデアが生まれた。結果として小学一年生でも参加出来る新しい手法を見つけることが出来た。この新しい方法は夏と秋の野草植栽WS(@野草園)で試してみよう。@小諸市大手門公園【2012/06/05】


*本日小諸市のホームページで5日に行われました坂の上小学校の2年生児童による大手門公園での植え込みを紹介していただきました。ご覧下さい。
 http://61.25.200.22/www/contents/1338974072022/index.html

2012/06/02

木の回廊/木工事

浅小井校舎の「木の回廊」の大工工事がほぼ完了。これから屋根工事、床工事が進みます。中央で西東二分割しているものの約50m連続する回廊は印象的な場所となるでしょう。上の写真は垂木を組終えた状態、見上げると青空が天井の様で不思議な風景だった。下は野地板を張り終えた状態。【2012/06/02】