2010/12/25

2010台北国際花卉博覧会





 台湾・台北市で2010年11月6日から2011年4月25日まで「台北国際花卉博覧会」が開催される。早速、格安航空チケットを入手し台北へ。メインエントランス(写真1)は地下鉄駅のすぐ前、博覧会と言えば人だかり。ここも多分に漏れず驚くばかりの入場者。3日間有効の花博入場チケット購入。買った後、別のスタッフがやってきて「これは3日券なんですよ、いいんですか」と念を押す、3日券を買う来園者はいないのか・・・(結果としてわかったことなんだが3日なんて必要なかった)。さて初日は全体をざーっと見て、2日目ゆっくりと、3日目はもう一度詳細に見ようと作戦を練った・・・が実際は人の多さにあてられて初日と3日目の2日間の見学となった。肝心の内容はどうだったか。月並みな表現だがとても面白く、とてもつまらなかった。

まずは興味深いことから。
1)やはり花卉博覧会といえども近い将来への環境配慮のメッセージが強く伝わる。屋上緑化・壁面緑化、自然エネルギー、雨水利用、新素材、そしてオランダが提唱したエコ都市のすすめや屋上緑化を大胆に取り入れたメインパビリオン(写真3、4)。この建築は中国・福建省の土楼を思わせる形状で屋上を散策できる。視点の高さが少し変わるだけで回りの風景が大きく変わる浮遊感が面白かった。
2)屋外トイレのパーテーションやゴミ置き場、簡易倉庫等に竹が使用されていたことは面白かった。
3)次に花壇や庭園に積極的に使われていたのが「野菜類」。来場者の一番人気は広大な面積を埋め尽くすポインセチアなどのド派手な花壇のようだが、多種多様な野菜でつくられた庭園(写真5)は地味ながら面白かった。庭園と言うものが「菜園」から始まった歴史性を考えると原点回帰とも言えそうだ。

逆に残念なことは、1)おおざっぱな花壇の多さ。広い面積を単種のド派手な花色で埋め尽くす。これには正直疲れた。さて会期終了まで何回植え替えるのだろうか。これは花卉(かき)という消費物の象徴に尽きる。メインエントランスから一番遠い庭園エリアはまだ完成していない様子、どこからか工事の音もしていた。
2)世界庭園エリアには34の庭園がある。台湾の「竹づくしの庭」、オランダの「エコ都市のすすめ」、ブータンの「幸せの庭園」、タイの「ラン温室」、アメリカは内容ないけど「頑張った庭園」、みたいなそれぞれの思いや工夫が感じられた、にも関わらず日本から出展された3庭園(3ブース)はなにも感じるところが無かった。技のすごさもメッセージもなにもない。これは僕が日本人だからか・・・と思い観察するが、結果はその来園者の数が物語る。ほとんどの人が素通り状態。残念。日本の出展者はこの実態を見るべし。

さて、全体総評は・・・庭から受けるプラス感動よりも、人の多さにマイナスイメージ。いやいや大変疲れた。でも行ってよかった。こんな印象とは別に開園1ヶ月少しで来場者数200万人突破のニュースを聞いてこれでいいんだと思った。(一日平均55,000人!)
最後に花茶殿でいただいたお茶(金宣茶)は大変に香り高くおいしかった。【2010/12/11】

2010台北国際花卉博覧会情報 http://www.2010taipeiexpo.tw/MP_6.html