2012/01/31

街の模型完成

 小諸市の市役所周辺の地形模型が完成。思ったよりも作業量が多く、また風邪による体調不良も重なり完成が大幅に遅れた。縮尺1/200、1m×1.8mの模型(二分割)なので、まさに鳥瞰的な眺めとなった。現況の建物を置くとそれほど感じないが、全くの地形だけならば千曲川沿い見ることが出来る段々畑の様相そのものが見えてくる(しまった! 写真を撮るのを忘れた)。今の土木屋さんでは到底造れない細かなひだを持つ街の魅力がそこにあった。地元の方々は気付いていないと思うがなかなか魅力的な地形だ。さて模型は3つの大きな梱包(地形模型2個、建築1個)にしてヤマトのお兄さんに託した。後に残ったのは、腰の痛さとスチレンボードのゴミの山、そしてすっからかんの作業部屋・・・完成の満足感よりも遅れた完成への自己嫌悪、となんだかもの寂しさ。【2012/01/31】

2012/01/29

水車の活用術


 京都府立植物園の「なからぎの森」に水車がある。せっかく動いている水車を展示するのだから本来の役割を持たせて活用すればいいのにと日頃思っていた。今日、植物園に行ってみると水車の中で米が製粉されているのが小窓から見えた。横の説明を見ると近くのパン屋さんの米パンの粉を挽いている事が書かれていた。「こうでなくて動体展示は!」とうなずいてしまった。地元の水田で栽培された米(可能であれば)が植物園の水車で挽れ、地元のパン屋さんで食される。街の中でも地産地消が可能である事を物語るいい試みと思った。このパン屋さん、植物園の北門をでてすぐお向かいにあるおいしい店。こんなことはどんどんすればいい。【2012/01/29】

*動態展示・保存とは、関連する業界内においてその機械類がほとんど運用されないような状態において、機械類が本来の用途としての動作・運用可能な状態で保存されている場合、もしくはその状態そのもののことである。動作・運用が可能ではない状態で保存する場合は静態保存という。

2012/01/08

森の建築と自給自足



 今日は、愛知県伊良湖岬にある「ゆずりは学園」(不登校・引きこもり、アスペルガー症候群の子と家族を支援するフリースクール)の見学、K先生ご夫妻に学園を案内して頂く。学校の裏山には三河湾を一望できるゆずりはの森がある。森の斜面の地形と樹木を活かし、ピザ窯や展望台、休息所が至る所にある。なかでも僕の目を止めたのは大きな生き物の巣のようなツリーハウス。それはまるでツムギアリ(樹の葉を紡いで巣を造る樹上生活の蟻)の巨大な巣である。梯で上に登れば内部はまるで飛行船の様でもあった(飛行船の内部って入った事無いが)。構造は木の枝が三角を作るように組まれている。全ての枝はシュロ縄で互いに結ばれ、釘は一切使われていない。全てが三角形の組み合わせなので強度も十分、全体的には球体になる。こちらが動けば何となくぎしぎしとその振動と重さを全体で支えている。座ればほどよく隙間から外の様子が伺える、きっと外からこちらの様子は見えないだろう。屋根は板と水田の畦に使う農業資材。お茶と本があれば何時間でも過ごせそうである。次回は寝袋持参で行こうか。
 森の次にK先生に案内されたのは、学園から車で20分少しの距離にあるNさん宅。Nさんご夫婦は電気以外は生活のほとんどを自給自足生活をしている。お米、野菜、シイタケはもちろんの事、豆腐、小麦粉まで自給自足と聞く。さらには裏山に自生するヤブツバキの実から搾油(ツバキ油)する。この油は極めて酸化しにくく、髪や手肌の保湿から揚げ物用油、サラダ油など生活に必要な油をすべてまかなえると言う。ツバキの実250gから約100ccの油が採れる。しかもツバキの実は半年近くの間、採取可能という。一度に搾油できる量は少ないが、自給自足の生活においては、その作業に無理が無く効率がよさそうである。Nさんに出していただいた琵琶茶と和菓子(サツマイモと玄米が素材)はいずれも自庭で採れた材料を使ったお手製。ツバキの葉におかれたお菓子(写真下)に花一輪が添えられ、なんとも美しく大変においしかった。肩肘はらずにさらっと自給自足、まったく羨ましい生活だった。多くの方々に感謝の一日。【2012/01/07 】