2010/08/29

わら、土、泥団子、そして生物多様性



 今夏のボーダレス・アートミュージアムNO-MAの地域交流事業は、「NO-MAアート倶楽部」と少し名前を変え、実施。今年のテーマは「農業」と「アート」を結びつけた=『農ライフ 農アート』。今日はその第一日目「シードボール、シードペーパーづくり」。前半は、稲繊維をベースに(つなぎはちょっと我慢で牛乳パックを利用)草花の種子を入れた紙すき(写真上)。後半は、参加者に持ってきてもらった丼一杯の土で「種入り泥団子」づくり。去年行った八幡団子(種入り泥団子)は、欲張っていれた種子のおかげで団子が粉々になってしまった。発芽の力ってすごいと・・・・勉強になったが。だから今年は団子の頭に小さな孔を開け、そこに種子を数粒入れることにした。(写真中)孔を開けた泥団子は、どこか宮崎アニメの脇役顔のようでもある。なかなかかわいい。孔に種を入れて、土の栓をして、もう一度形を整えて出来上がり。乾燥させれば短期間の保存もできる。このままお皿にのせて定期的に水を与えれば発芽するはず。中には、おにぎり型やサイコロ型、こんなのもあった・・・うんこ型けっこうリアル(写真下)。春からの企画会議も成果があって、まずは第1回目が無事終了・・・後片付け、ふりかえり会。気持ちよく車で琵琶湖沿いの帰路、そして寝ながらの振り返り・・・「アート」のことはよくわからないが自然のことならよく理解できる(と思っている)。「水→稲→昆虫→魚→ヒト→堆肥→バクテリア・菌→土・・・」わら一本から生物多様性のこと子どもたちに解説できる〜なと、そして程よい疲れで眠りについた。でもいつものことながら頭ん中はそのことを考え続けていたみたい。突然、んっ?!と目が覚めた「種入り泥団子」って「地球」、「地球とは生物多様性の泥団子」か。僕が会の最後に言いたかった言葉はこれだった。子どもたちは様々な種子の入った泥団子を手のひらで大切に大切に、ある時は少々荒っぽく転がしていた。少々のことでは壊れはしないが、どこか一箇所に力を加えすぎるとそのひずみで亀裂が入り全体が壊れてしまう。微妙なバランスで成り立っている。あの時、きっちり言えなかったのは痛恨のミスか、それともこちらが心の中に大切にするぐらいがいい塩梅か。今度はどこかで「泥団子の生物多様性」の話をするか。【Photo:2010/08/29】

2010/08/19

「いい自然とあかん自然」って?

 今日は滋賀県立大の学生たちが小学生対象に主催する「西の湖の生きものを知ろう」に協力参加。フィールドワークを終え、まとめの作業である学生が子どもたちにした説明「ヨシ原にはいっぱい生きものがいる。沢山の生きものがいると楽しいやろ?人が楽しいと思える自然はいい自然、人が楽しくない自然はあかん自然や」。これにはまったく驚いた。例えには不適切、そんな簡単な解釈はできないだろうし、説明としても重大なミス、まったく間違った認識。極端な例で言うと、芝生広場を見て楽しいな、区画整理の水田を見てきれいだなと思う人もいるだろう、方や在来種豊かな草原を見て美しくない(ただの雑草原)と感じる人もいるだろう。だったら芝生広場や区画整理の水田は「いい自然」で、草原は「あかん自然」なのか? どう考えてもおかしい。僕が思うに「いい自然とは、在来より生息する動植物群が健全に暮らすことのできる環境をいい自然。あかん自然とはこの逆の環境。」さらに加えるなら、「その自然の中で暮らす人間の生活がバランスよく成り立ち、維持されている場所が優れた環境。」これでもまだ不十分だがほぼ同程度の字数で説明するなら、最低この程度の説明をしてほしかった。この時はこころから参加を後悔した。でもソーラー発電で動く遊覧船での西の湖巡りでは、ミサゴ、アマサギ、ウチワヤンマなど沢山の生きものが姿を現してくれて楽しかった。感謝。【2010/08/19】@西の湖、滋賀県近江八幡市

2010/08/14

あなたのすみか、私のすみか

 昨日と今日の二日間、近江兄弟社小学校学童保育「ノア」で夏休みプログラム。アジアを旅して思ったこと「子どもの優しさの源はなにか」、それは衣食住のほぼすべてを自分たちで作り、解決できること。子どもは子どもとして一社会人であること。必要最小限の上で成り立つ生活と心の有り様。そんな漠然としたコンセプトから「あなたのすみか、私のすみか」を考えた。子ども達が自分の住処(すみか)を作り、一緒にご飯を作り、暮らす。これを二日間で行った。初日は自分の住処の設計図を考え、段ボールで住処を造る。この作業は一人でもいいし、共同で行ってもいい。女の子は比較的一人一人自分の好きな家を造る。限られた量の段ボールなので中に入るのは少々難しい。屋根や壁には、お花やハトが描かれ飾られる。男の子は何人かの共同で家を造る。共同だから段ボールの量も有効に使える。結果、大きな段ボールハウスが出来上がる。中を覗くとむんとした空気の中、ごろごろと4人も寝っ転がっている。昔、自分も遊んでいた「秘密基地」の空気があった。二日目は、「片手の平に乗る野菜を一個持ってきて」を条件に持参してもらった食材で「夏野菜スープ」と「ピザトースト」をみんなで作る。このランチを段ボールの「ノア村」で食べる。食後は、夏の定番「スイカ割り」。あっと言う間の二日でした。【2010/08/11】

2010/08/08

蓼科そば博士のそば畑


 今年も蓼科のそばプロジェクトが始まった。「そば博士のそば畑」にそばの研究者・氏原煇男先生、大西近江先生の指導のもと参加十数名で秋そばの種を播く。今回は100m2を手播き(筋播き、約400g)、300m2を機械播きで行った。さわやかな風の中、気持ちいい作業だった。数日後には発芽し、約2ヶ月後の収穫が楽しみだ。写真上:手播き作業中、写真下:前列左/氏原暉男先生、前列中/大西近江先生 【2010/08/07】