2011/12/10

野草の押し花とX' Masリース


 久しぶりの小学校での親子参加プログラム、今回は一年生も参加できる内容を考えた。X' Mas 前なので学校の周辺の草地で採集した野草で押し花をつくり、額装することにした。近くの蛇砂川の河川敷を歩き自然観察、野草を採集し押し花にする。もちろんすぐには使えないのであらかじめ押し花(約一月前から準備)にしておいた野草を配り、思い思いの絵を描いた(写真上)。保護者の提案で学校で飾るリースも作る。敷地内にある月桂樹の枝を三つ編みにしてリースを作ると部屋中がいい香りでつつまれた。【2011/12/10】

2011/12/05

遊具の修理



 夏から依頼されていた小学校の遊具修理を行なう。遊具といってもジグザグ一本橋、ベンチのようでも、藤棚下の砂場の飾りのようでもある。1歳児から100歳児(もちろんそれ以上も)まで遊べる遊具。この遊具は2006年12月に設計/完成したもの、ちょうど5年目にして部材の継ぎ手に不具合が生じた(写真上)。原因は継ぎ手の箇所に仕込んだボルトの辺りから腐りが出ている事が判った。側面の埋木を除くと部材の中に仕込んだボルトなのに激しくサビていることが判った、小口からしみ込んだ雨水がボルト孔を伝い溜まったことが一因のようだった。今回は5本のうち両端を除く3本を新調/交換する。交換材として材木屋さん(伊藤源)に頼んだものは「びわこ産材(杉材)」、長めの材を仮置きしてみると部材同士を三角に加工し元のように継ぐよりも、部材の長さを活かす方が良いと判断(写真中)、これで水の染み込み原因の継ぎ手ボルト孔も必要なくなった。最後はオスモカラーを全ての材に塗って無事完成(写真下)。今回の修理は、小学校の卒業生でもある大工の川村さん(川村住建)に手伝ってもらう。オスモカラーを塗っているはしから、一年生の子どもたちが遊びにやって来た、さっそく座ってお尻や手平をブルーにしてしまった。彼らにとって「ペンキ塗り立て注意」=「触ると面白い」ということのようである。想いおこせば、5年まえにこのジグザグ一本橋にブルーのオスモカラーを塗ってくれたのも小学生達、あの時も彼らにとっては遊びの延長だった。その彼らも今や高校生。色塗りに誘えば良かったかな。@近江兄弟社小学校【2011/12/05】

2011/12/01

エッフェル塔を緑で覆う「巨木化」計画


 パリのシンボル、エッフェル塔を60万本の植物で覆い隠し、巨大な木に変身させようという計画が持ち上がっているらしい、インターネットのニュースで知った。以下にニュースの抜粋【この計画を考案した仏企業ジンジャーは30日に発表した声明で、この計画が自然と人類の共存を象徴できるとした上で、「都市の中心に自然が戻ってきた新たな未来を想像することがエンジニアの役割」と強調した。今のところ、パリ市役所やエッフェル塔の管理会社には正式な了承は得られていないが、計画が実行に移されれば、エッフェル塔が昆虫や鳥の生息場所としての機能も果たすようになることが期待される。フランスの地元紙によれば、同計画は来年にもスタートする可能性があるという。】はたしてこの計画がどれほど具体的なのか、本当にそのなことが出来るのか、パリのような生物の多様性に欠けると思われる環境において本当に生息環境としての役割を果たすのか疑問だが、創造的で面白い。日本のスカイツリーはエンジニアの力の象徴かもしれないが、こちらがエンジニアの想像力と芸術の象徴みたいに思う。どうも発想の根本がやっぱり違うなと思う。アイデアは自由なんだから、永続的には出来ないかもしれないが、短期的には可能かもしれない。実は今や話題もさった「スカイツリー」が本当に緑の塔であればいいのにと何度思ったかことか。とても楽しみな計画です。【2011/12/01】

2011/11/26

庭を旅する/第九歩 同志社大学ヴォーリズ建築群 ★★★★☆



 友人の誘いで「ヴォーリズサロン」(主催:一粒の会=ヴォーリズ建築保存再生運動のNPO法人)*1に参加する。今回は、同志社大学今出川キャンパスの建築群の見学会。最初にヴォーリズさんの生前をご存知の矢野義氏(一粒社ヴォーリズ建築事務所顧問)のお話を聞き、その後、建築を巡る。幸か不幸か今日は同大学の学園祭。はぐれそうになりながら皆さんについて行くのが精一杯。やっと落ち着いたのは、啓明館(1920年竣工:第2代図書館=写真上)、アーモスト館(1932年竣工=写真中)、ふたつともとてもチャーミングな建築。壁面や窓の装飾はもちろん人目を引くが、足元のタイルパターン、階段の隅のディテールの遊びと気配りに感心する。アーモスト館の裏側に和風の近代建築を見る、なかなかきれいなたたずまい(写真下)。こちらは大学のゲストハウス(1961年竣工)で吉村順三氏の設計とお聞きする。ヴォーリズ建築とは異するが、深い軒と縁側とも縁台とも言えるテラス、茶室の続く延段など、こちらもとてもきれいな建築だった。見学後、バザールカフェ(ヴォーリズの設計した洋館=旧B.Fシャイブリー邸 1919年竣工)で一休み、とても快適な空間。その後、寒梅館(同大の施設)のレストラン(言わば学食レストラン)で懇親会、こちらは落ち着かない。やっぱりここでも古い建物の方がより快適で、空間が豊かだった・・・。同大は今出川通りに新キャンパスを建設中。言わずと知れた建築が建つんだろうなと想像に容易い。つまり巨大で立派な建物は建つだろうが、空間に多様性ある街は造れないだろう。【2011/11/26】
*1 NPO法人一粒の会 http://www.ex.biwa.ne.jp/~hitotubu97/indexs.html

2011/11/06

ヴォーリズデイ2011

 今日は恒例の近江兄弟社学園のヴォーリズデーに参加。このヴォーリズデーとは、「2007年度からヴォーリズ先生の誕生日である10月28日から始まるヴォーリズ・メモリアルウィークの最終日に位置づけ、学内外の交流、同窓生のホームカミングデー、オープンキャンパス等を開催し、学園をより多くの方々に知っていただく日にしたい」と設けられた学園の文化祭。毎年の事ながら自分が設計した学園の中庭がどのような使われ方をしているのか見るのはドキドキする。自分が関わった設計にこのような機会で参加が持てる事は設計者冥利なのである。中庭に集まった学生、教職員、保護者、その他大勢があおぎ見ているのは東の校舎ベランダで開会の音を奏でる高校の吹奏楽部、その反対の校舎では先生が指揮をする・・・なかなかダイナミックで面白かった。今年の参加は昨年に同じの「ミャンマーそばのガレット」である。店はというと・・・いつものようにバタバタなのである。不思議とお客さんはコンスタントに来ずに、何人もが嵐のごとくやってくる。心配された雨は、ようやく片付けが終わった夕方になってぱらりと落ちてきた。今日も感謝の一日だった。【2011/11/06】

2011/10/28

緑の都市賞/授賞式

 緑の都市賞の授賞式に東京・日比谷公園にある日比谷公会堂に行く。ここでは新しい興味深い方々と出会う。なかでも愛知県の「ゆずりは学園」のおこなう障がいを持つ子どもたちによる里山活動(国土交通大臣賞)は群を抜いて実践的でかつユニーク。なれない壇上での時間に疲れる。@日比谷公会堂【2011/10/28】

2011/10/27

風車修理

 長らく揚水が出来なかった風車の修理を行なう。風車揚水は風による風車の回転をチェーンにより上下運動に変えて、手押しポンプを稼働させ揚水を行なう仕組み。建設当初は快調に揚水をしていたが、しばらくして機能出来なくなり2回の修理をした後再びダウン、今春以降水を揚げる事無く風車だけが回っていた(ランドマークにはなっていた)。さらに台風12号の風でチェーンが落下してしまった。風が常時吹いていれば問題ないのだが、現実はすこし問題があった、原因は2つ。まず1つ目、常時風がふかない時、ポンプ内の水が落ちてしまう基本的構造の問題(普通のポンプなら呼び水をすれば水が揚がる)、2つ目はポンプのピストン弁の消耗が激しいこと(揚水の必要ない時も稼働している)。今回はその修理を行なった。まず最初に手押しポンプをはずし、内部の清掃。内部には小石や枯草などのゴミがあった。ザリガニやメダカの死骸もあった、水中の送水パイプに隠れていたところを水と一緒に吸われたのだろう。ポンプをきれいにしたあと、ピストンを新品に交換し、水中の送水管まわりを浚渫(泥に埋まっていた)、送水管の先に「逆止弁」をあらたにつけた。逆止弁には、ザリガニが二度と不幸にならないようにゴミネット(台所排水用)をつけた。作業の日、ずっと風車は一度も止まる事無く回り続けたためにチェーンはかけられない。こんな事もあろうかと用意したハンドルを取り付ける。全てを組み込み、ハンドルを押すと勢いよく水が揚がる。しばらく止めた後もポンプ内の水は落下する事無く、ハンドル一押しで再び水を揚げた。これでチェーンさえつければ常時稼働する。ピストンの消耗については、水田に水を揚げる春から夏場に限りチェーンを連結すれば解決できると考えた。最後に水田までの横樋を塩ビパイプから竹に引き替え、完成。解決のポイントは、どうやってポンプ内の落水を防ぐか・・・逆止弁の構造をいろいろと考えたが、なんとすでに製品になっていた。@兄弟社小学校北の庄【2011/10/27】

2011/10/22

大手門公園ワークショップ1

 小諸の停車場ガーデンの拡張部=大手門公園の「公園づくりワークショップ」に参加。あいにくの天気で参加者は少ないが、出された意見は具体的。【2011/10/22】

2011/10/21

緑の都市賞/ランチパーティ

 緑の都市賞受賞の発表を兼ねて、日頃ガーデンの手入れをしていただいているボランティアの方々との受賞パーティを開く。今までの協力者、市長にも参加いただき、おいしいランチパーティとなった。【2011/10/21】

2011/10/20

草木染め講座

 今年も停車場ガーデン(小諸)で草木染め講座を行う。今回は、シルクのストールを「紅花」で染めてみた。紅花は、赤い染料を抽出するまでの作業が少々面倒だが、熱をくわえなくていいので暖かな日や、人数の多い時は逆に作業は楽になる。時間を変えたり、素材を変えたり、黄色の染料(これも紅花の)に入れたりして、色の変化を楽しめた。手前の品よく染まったストールはシルク(織り模様で変化がでる)、一番奥のショッキングピンクは綿のエコバックに染めたもの。同じ染液でもこれだけの違いが出るから面白い。@停車場ガーデン【2011/10/20】

2011/10/14

市民ガーデンが「緑の都市賞」受賞!

 この度、小諸の停車場ガーデンが第31回緑の都市賞(緑の拠点部門奨励賞)を受賞した。このガーデンは、全体計画に対して緑のデザイン賞(第19回・国土交通大臣賞)をいただき、その助成金を元に市民参加で作り上げたもの(平成21年4月開園)。今回はその後の市民の関わりと運営を評価していただいたものと考える。ガーデンを2年間支えてくれたスタッフや市民ボランティアの皆さんに感謝に尽きない。いわばダブル受賞、嬉しいかぎりです。授賞式は、10月28日日比谷公会堂で行なわれる。【2011/10/14】

2011/10/11

スタディー模型

 学校の施設計画で長い回廊を考えている。東西に長く続く校舎の外部に「木の回廊」を設けて、新たな動線や役割を誘発させようと思う。今回の計画は既存建築があるので取り合いがなかなか難しい、そんな時は模型に限る。あらかじめ想定した寸法をもとに模型を作るが途中で、ああでもない、こうでもないと切ったり張ったり・・・手間はかかるがいろいろな新たな思いとアイデアが湧いてくる。【2011/10/11】

2011/09/25

NHKスペシャル「クニ子おばばと不思議の森」

 TV取材協力したから見よと夜、友人より携帯メールが入る。その番組タイトルは、「NHKスペシャル/クニ子おばばと不思議の森」。かつて何度も訪れたことのある九州山脈ど真ん中の椎葉村(宮崎県)が舞台だ。昔ながらの焼き畑農法を守る椎葉クニ子さん(87歳)が主人公。クニ子さんの生活や森の話をカタツムリが語り部となって紹介する。雑木林の伐採/椎茸栽培〜焼き畑/火入れ〜そば栽培/山菜〜小豆〜大豆、といった一連の農法が丁寧に紹介されていた。クニ子さんの生活と思想は「森の民」として断じて無駄の無い合理的でシンプルな、そして森の神様のもとで恒久的持続可能な環境に基づいていたものだ。東南アジアの森の民とまったく同じ。その話は民俗学、博物学、生態学・・・の根底に流れるもの、面白いし、全て経験中から出てきたもので富んでいた。一見、自然環境にとって乱暴な見える焼き畑が、実は森にとって大切な「かく乱」であり、その刺激が森の再生を促すことになる。いま各地で猛威をふるう「カシガレ(ナラガレ)被害」、先日の台風による甚大な被害・・・森の民・クニ子さんの教えの中にヒントがいっぱいあったのではないかと思ったのは僕一人ではないだろう。クニ子さんが守る想い出のナラの木、神様と慕うモミの木、30年前に蓄えたヒエがまだ発芽し食用となること、火入れの作法・・・もっと見たい。
 
 この手の番組構成と撮影手法は、NHKが今森光彦さんの里山特集ですっかり身につけたようだ。ただし撮影手法にもうひと工夫欲しい、一時間版番組としての編集に無理があった?、そして少しの疑問点も残った・・・が結果としてはなかなか良い内容。続編を望む。【2011/09/25】

参考 http://www.nhk.or.jp/special/onair/110925.html

2011/09/14

パークマネジメント


 新刊図書の紹介。"自分たちの公園" を創り、守り、育てるために」日本全国の公園でその活かし方、育て方が問われています。この新刊図書に公園の活かし方と実践事例が書かれています。実践事例を紹介する機会を頂きました。ここでは企画当初から今も関わってきた「停車場ガーデン(小諸市民ガーデン)」について書きました。興味のある方は是非ご購読をおすすめします。一般書店では9月15日から販売です。

パークマネジメント~地域で活かされる公園づくり~ 田代順考・他編著 学芸出版社 定価本体2800円+税 【2011/09/14】

2011/09/13

中秋の名月とススキ

 小諸(長野県)への出張の夜は、中秋の名月・・・だったことを愚かにも翌朝思い出した。それはちょうど新しい公園の敷地周辺をサーベイ中、島崎藤村旧居跡のそばに生えているススキを眺めた時だった。ススキの隣には、まっすぐでない電柱に古い電灯が二つ、その一つにはなぜか昼間なのにLED電球が点いていた。ススキを仰ぎ見た時にその向こうに広がる青空に名月が見えた(気がした)。しばらく見ていると駐車場から出てきた男性が「何見てる?」。「ススキと電柱があまりにも良いので、写真を」と答えると。この男性「電柱?、そのススキは変わってるのか?」。やっぱり伝わらない。住んでいる人たちはそんなことは思わないのだろう、昨日のねこじゃらしの草原もそうだった・・・そして今度行くと無くなっていたりするものだ、いとも簡単に壊されてしまう。しかし想像するに優しいのだけど、この風景を島崎藤村も毎日見ていたかも知れない・・・と思うと、こんな風景が街中に未だ残っていること自体が愛おしく思うはず。僕はこんな風景も町の財産だと思う。さてごく普通の中の大切なことをどう伝え、守れば良いのかな。@小諸市【2011/09/13】

2011/09/12

ねこじゃらしの草原

 停車場ガーデン(大手門公園)の拡張エリアが一面、ねこじゃらし(エノコログサ=イネ科の一年草)の草原になった。将来は芝生の斜面に樹木が点在するのだが、この風景もなかなかきれいだった。写真では判りづらいが、斜面一面にねこじゃらしの金色に実った穂が風になびき空気を染め、穂先が発するかすかな音が心地よい。町の中にこんな草原があれば良いなと思う。このことを知人に話すと「それは都会の人のこと・・・こちらではだれもそんなこと思わない。公園にこんなところがあったら手入れされてないと言われる、云々。」確かにそうかもしれないけど、これも日本の野草の一つの姿、一年に一度ぐらいこの金色の草原を楽しむ余裕が欲しいものだ。夕方もう一度見に行った、涙が出る程きれいな金色の草原だった。「だめだ」と思い込むことで本当の美しさとか、魅力が見つけられなくなる。街や公園のなかにワイルドな環境が残されるのは豊かなことだ、この身近なワイルドな環境こそ人の心と身を豊かに育てるものだ。花物の管理ばかりが優先されるガーデンから果たして何が産まれるのか。自問自答・・・。以前、アメリカの公園でこの "ねこじゃらし"と"ススキ”が花壇に植えられているのを見て、こんな使い方があるんだと目から鱗が落ちるほど感心したものだった。【2011/09/12】

停車場ガーデン

 久しぶりに停車場ガーデン(小諸市民ガーデン)を訪ねる。秋の気配はどこにも無い、入口のサインには空色朝顔が満開でまだまだ元気だ。@停車場ガーデン、小諸市【2011/09/12】

2011/08/11

電力消費をライブで見る

 震災・原発災害以降、情報として現時点での電力消費情報が出るようになった。この表示は以前からされるべきと考えていた。それは10年程前、東京都環境学習リーダー講座で考えたものだ、なにか日常的に環境負荷をライブで考えられないか・・・当時の講座グループに提案したものは毎日の情報をインターネットで公開、毎月ポストに入る電力消費料金に表示することだった。試しにコピーの切り貼りでデモ電力消費料金を参加者に配った。「こんな表示されていたんだ・・・」というのがその時のコメントだった。みんな本物と思っていた。意外に月毎の電力消費なんかじっくりと見ていなかったという訳。結果、これは必要だとか、考えさせられるというコメントが多かったので、これを東電に提案しようとなった。しかし、その時は「CO2削減」の話題がより大きく、「電力消費量を表してもたいした効果はないよ」と述べた年配者の声だかな一言で意気消沈。今、自分たちが消費する電力をライブで見ると言うことはやっぱり意味あることだと思う。ただしこれを正確な情報と信じたい。【2011/08/11】

2011/08/10

相生町商店街が新しくなる


 長野県小諸市の商店街があたらしくなった。一昨年より商店街のアーケードの撤去事業による通りの再生をアドバイスしてきたもの。アーケードは商店経営にとって長所が大きい、個人的にも好きな街の施設である。暑い日は日陰になり、雨の日は傘要らず、いつでも天気を気にしなくても歩ける、しかも商品の日焼けも気にしなくて良い。しかしその維持管理は経済的にも大変なもの、ましてや老朽化が進み、閉鎖店舗が増えた場合はその薄暗さも手伝ってなんともさびしい町並みを感じさせる。
小諸市の相生町商店街もこのアーケードを撤去して新しい通りを造ることとなった。第一期工事が終わった。上の写真は未整備の箇所、下は整備完了箇所。アーケード撤去で得ることができた陽光を活かす緑地を確保した。緑地には地域樹種をメインに四季折々の草木が路を彩ることになる。照明の配置も良好で夜は商店からもれる灯りと共になかなかきれいな風景が生まれた。今後の緑地の維持は、商店主の管理協力に寄るところが大である。きっと「店には草木なんて要らない!」とおっしゃる商店主もいるだろう。しかし自然環境を売りにする小諸の街にとって、その緑環境との関わりは街の個性を生み、魅力的な商店経営に結びつくと信じる。「陽のあたる坂の街」=自然環境に恵まれた小諸の魅力が蘇ったと思う。造園家としては車道(県道)を一方通行化して、中央まで緑地を拡大し、商店街のガーデン化をしてみたい。きっと将来はそんなことも望まれるに違いない。【2011/08/04】


2011/05/12

信州から届いた「イエローブック2011」

 イエローブック2011年版が届いた。イエローブック(YB)と言っても電話帳ではなくて、オープンガーデンの情報冊子の事。このYBは「オープンガーデン オブ 信州(OGS)」の会が発行したもの。ちょうど一年前にOGSの春の総会で話をさせていただいてからのおつきあいである。その流れで今年は、YBの最初の頁に巻頭寄稿を依頼されていた。「オープンガーデンの点〜"Quality of Life" と"もてなしの心"」と題した文章を書いた。ご本家英国では、YBは分厚いハンドブックとして英国全土のオープンガーデンが載っているものが駅のキオスクで売られる程一般的な存在。【2011/05/12】

2011/05/09

GWの庭/英国エディンバラ植物園?

 例年のGWなら長野善光寺花回廊のイベントで忙しいはずだが、今年はイベント自体全体的な縮小となり参加できなかった。そこで英国エディンバラ植物園に行ってきました。と言いたいのですが、実のところ日頃の仕事のやり残し、資料整理をGWにあてた。一日、京都府立植物園に出かける。ヒマラヤ杉の木立の下、シャクナゲとシャガ、ホスタの新葉がとてもきれいだった。ここには不思議といつも人が来ない。ひんやりとした風が通り抜け、気持ちよかった。そしてもう一つの不思議、この一角は英国エディンバラの植物園を感じるのだった。@京都府立植物園【2011/05/02】

2011/04/03

びわこ産材のベンチ

 先日、完成した「もりの風こども園」の靴脱ぎホールにベンチが必要となった。園庭でも使用した「びわこ産材」(=大津地域の杉材)で製作する事にした。通園する子どもたちが毎日少なくとも2回は直に触れるものなのでいい素材を選ぼうと思った。材木屋(伊藤源)さんから普通では入手できない破格の値段で分けていただいた。もちろん塗装もこだわった、安全性と、素材を活かすためにオスモカラーのクリアー(座板)、スカンジナビアンレッド(側板)とした。通常なら簡単なスケッチを描いて大工さんに造ってもらうのだが、今回は予算の条件もあり自分で造る。設計者だが時にはこんな仕事もしたいものだし、するべきと思った。【2011/04/02】

2011/03/31

もりの風こども園園庭完成

 滋賀県守山市にある「もりの風こども園」の園庭が完成した。正確には、ようやく園庭づくりが始まったというべきだろう。今後は、親子参加による芝生張り、雑木苗の植栽、先生方との冒険遊び場づくり・・・などなど。樹木が大きくなるにつれ子どもたちが成長するように風景も育っていく。アイアンアーチもバラのゲートになるだろう。ここでどんな遊びが生まれるか、楽しみだ。【2011/03/31】

2011/03/22

新しい小学校を考えるWS


 小学校の移転計画(小学生が判る言い方では「学校の引っ越し」)を考える・・・あたりまえだがいくつかの前提条件がある。但しこの条件はちょっと難しくもあり、魅力的でもある。その条件とは・・・新しく小学校が移転する場所には元学校建築があり、この施設を魅力的に活用する(つまり建替えはしない)。現在の小学校は歴史的な背景を持つ(つまり愛着を持った多くの卒業生が存在する)。いくつもの中庭がありこれを有効かつ魅力的に使う。予算は潤沢ではない(これは当たり前)。生物多様性に配慮する・・などなど。そこで今回の計画を進めるにあたり現職の先生と保護者、そして子ども達(なんと卒業生の中学生も参加してくれた!)で新しく中庭になるであろう敷地を考えるワークショップ(WS)を開いた。草ぼうぼうの中庭の草刈りをした後は、感想・希望・要望の意見交換の時間とした。初めての会なのでそんなに多くの意見は出ないが、忘れる事のできないとても大切な意見を頂いた。保護者と児童と教職員が同じ視点で、だれが上座で誰が下座もない、加えて卒業生までもが参加して意見を出し合える学校づくりなんて滅多にない。とても健全で、創造的で、正しい計画の道が始まった。【2011/03/22】

2011/03/21

もしもの時に、子どもたちが「自分を守る」ために用意するもの

 このシートは、僕が関係している小学校に先日送ったもの。今回の震災で多くの子どもたちのこころが傷つき、そして多くの命が亡くなった。しかしニュースを見ているとこども達の様子や状況がほとんど報道されない。そんな中たった一瞬だが避難所で一人の女の子がぬいぐるみを撫でている様子があった。僕はほっとした。震災・津波直後のシーンで少年が釣り竿を持って逃げてきた様子もあった(彼にとって宝物だろう)。一個のぬいぐるみや一本の釣り竿が彼らの心の支えに必ずなると僕は思っている。昨日は、震災発生10日目にして80歳の祖母と16歳の少年が救出された。これには人間の強さに驚き、励まされた人も多いに違いない。しかし一方で原発はいまだ収束の兆しもなく希望を見いだせない。今度は遠くの関係ない地域でも物品や燃料の買い占めが起こっている、ホウレンソウや牛乳の出荷制限と共に風評被害が懸念される、埼玉県では公用車からガソリンが抜き取られる・・・悲しい。そんな思いを拭うためにも書いたものが「子どもたちが自分を守るために用意するものシート(災害時持ち出し品リスト)」。 子どもたちにとってカンパンや薬、頭巾は必要ない、それは大人が用意するもの。彼らにとって必要なものは自分の心を支えてくれるものだと思う。それは一冊の絵本で、一個のぬいぐるみだ。【2011/03/21】


2011/03/16

雪の現場で思う事

 3月11日午後2時に東日本大震災が発生。今、急ピッチで工事が進む現場でも話題は被災者の事。16日の現場でも午後から降雪となった。中にはご家族が震災に遭った工事関係者もいる。雪の中、誰もがもくもくと仕事をこなすが、職人さんの頭のなかは雪の中で耐える被災者のことか。Photo:2011/03/16 @守山市、滋賀県

2011/03/12

地震の時の対応

打ち合せ先で今回の大地震と津波の被害を知った。
この地方には何人かの知人が暮らす。連絡はとれない。被災された方々の安否を祈るばかりである。
僕へ届いた「冒険遊び場づくり協会のML」では、被災した地域の子どもたちのフォローが検討されている。
以下にお伝えします。


1. 私自身も阪神淡路大震災の経験者ですが(当時小学5年生)、なんだかわからない大きな不安につつまれます。落ち着いたら子ども達の精神的被害を軽減するために、紙に思いっきり絵を描かせてあげたり(黒い絵になることが多くなるそうですがご心配なさらずに描かせてあげてください)、いつもの歌を一緒に歌ったり、ごく簡単なことでいいので遊ばせてあげてください。きっと周りの大人にとっても元気づけられます。
そしてみなさまも、万が一に備えてください。


2. 地震の時の対応:特に知っておいてほしいこと

・これから夜になるとき。
阪神大震災で最後に最大に悲惨に襲った災害は、「治安悪化」による「人災」です。 大切な人を守ってください。 一人でいる人は、最寄りの知り合いと小さくても良いのでコミュニティを作りましょう。

・避難した女性の方。
絶対に一人で公衆トイレに行かないで。 便乗する性犯罪者がいます。
常に誰かと行動して、トイレも二人以上でいくようにしてください。

・赤ちゃんがいる方。
赤ちゃんの頭にタオルでも何でもいいので、クッションになるようなものを置いてください。
阪神大震災で、テレビが飛んできて死亡した乳児がいました。 彼の死を無駄にしないで。

・電話の使用は極力避けてください! 
非常の為の119番や110番がかかりづらくなっています。  安否の確認は災害用伝言ダイアル171番またはツイッターなどのネットの利用でお願いします。

・地震が起こったら、必ず窓を開けてください。
そして、家にいる人は、水道が止まる前に、お風呂に水をためてください。 まだ、電気が通じる人は、ご飯を炊いてください。 阪神淡路大震災の経験から、皆さんに伝えます。

・停電をした地域は、必ずブレーカーを全て落としてください。
また避難する際も絶対にブレーカー落としてください。 送電時に火災になって家が燃えてしまいます。 停電から復旧した瞬間ショートして火災というケースも多いようですので、停電してても落としてください。 通電されたら小さなブレーカーを一つづつ入れて下さい。 漏電ブレーカーが落ちるようでしたら、無理に入れず、電気事業者等に連絡をとって下さい。

・ガスの元栓をしめてください。
ガスが充満すると静電気だけで大爆発が起こります。

・断水の可能性がありますので、お風呂に水をためてください。
飲料水の確保もお忘れなく。 ネットが使えるうちに自分の住んでる地区の避難場所を確認してください。

・足元数十センチの津波でも足をすくわれ一気に沖合まで流されます。
絶対に見物などには行かないようにしてください。

・車のトランクにタイヤ交換用のジャッキがついているはずです。
瓦礫の下敷きになっている人を救助する場合、かなり重要になってきますので、提供をお願いします。

・室内に居る時も、履物の確保をしてください。
ガラスの破片で足を怪我すると、命取りです。

・避難する時は、雑誌を頭に載せてタオルやシャツで包むだけでも
簡易ヘルメットになります。 おなじように足に巻けば、履物になります。

日記・ツイッターで広めて下さい。
お願いします!

【2011/03/12】

2011/01/21

「子どもの遊ぶ権利のためのIPA京都フォーラム」のお知らせ

 「子どもの遊ぶ権利のためのIPA京都フォーラム」が2月19日(土曜日)同志社女子大学今出川キャンパス・ジェームス館で開催されます。興味のある方はご参加ください。詳細は上記チラシを参照してください。(または、右下の"つながり"のバナーをクリックしてください)
主催:IPA日本支部(子どもの遊ぶ権利のための国際協会)申し込み・問い合わせ先:IPA日本支部事務局 FAX 072-266-3012
 

2011/01/09

雪景色

 今日は一日、フィールドで樹木調査。前日の降雪のために周囲は一面の雪原。ありふれた畑の畝が白黒のストライプ文様になり、歩く向きで大きく表情を変え、隣同士も違ったストライプが出現する面白い風景が出来ていた。目をつぶると屋根からの落雪やしずくの音、足元では小さな流水音、なかなか表情豊かな音景色があった。@浅小井町、近江八幡市、滋賀県

2011/01/01

謹賀新年2011年


 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
年越しは、恒例の除夜の鐘つきで近くの真如堂へ。今年は31日の早朝から始まった降雪のために本堂の屋根も、樹々も地面も、辺り一面まっしろ。積雪は10〜15cmぐらいか。辺りのサクラやモミジが枝にまとった雪はまるで満開の里桜のようである。今年も鐘をつく間に新年を迎えることが出来た。昨年一年お世話になった多くの方々に、自然に、樹々に感謝。【2011/01/01 】

2010/12/25

2010台北国際花卉博覧会





 台湾・台北市で2010年11月6日から2011年4月25日まで「台北国際花卉博覧会」が開催される。早速、格安航空チケットを入手し台北へ。メインエントランス(写真1)は地下鉄駅のすぐ前、博覧会と言えば人だかり。ここも多分に漏れず驚くばかりの入場者。3日間有効の花博入場チケット購入。買った後、別のスタッフがやってきて「これは3日券なんですよ、いいんですか」と念を押す、3日券を買う来園者はいないのか・・・(結果としてわかったことなんだが3日なんて必要なかった)。さて初日は全体をざーっと見て、2日目ゆっくりと、3日目はもう一度詳細に見ようと作戦を練った・・・が実際は人の多さにあてられて初日と3日目の2日間の見学となった。肝心の内容はどうだったか。月並みな表現だがとても面白く、とてもつまらなかった。

まずは興味深いことから。
1)やはり花卉博覧会といえども近い将来への環境配慮のメッセージが強く伝わる。屋上緑化・壁面緑化、自然エネルギー、雨水利用、新素材、そしてオランダが提唱したエコ都市のすすめや屋上緑化を大胆に取り入れたメインパビリオン(写真3、4)。この建築は中国・福建省の土楼を思わせる形状で屋上を散策できる。視点の高さが少し変わるだけで回りの風景が大きく変わる浮遊感が面白かった。
2)屋外トイレのパーテーションやゴミ置き場、簡易倉庫等に竹が使用されていたことは面白かった。
3)次に花壇や庭園に積極的に使われていたのが「野菜類」。来場者の一番人気は広大な面積を埋め尽くすポインセチアなどのド派手な花壇のようだが、多種多様な野菜でつくられた庭園(写真5)は地味ながら面白かった。庭園と言うものが「菜園」から始まった歴史性を考えると原点回帰とも言えそうだ。

逆に残念なことは、1)おおざっぱな花壇の多さ。広い面積を単種のド派手な花色で埋め尽くす。これには正直疲れた。さて会期終了まで何回植え替えるのだろうか。これは花卉(かき)という消費物の象徴に尽きる。メインエントランスから一番遠い庭園エリアはまだ完成していない様子、どこからか工事の音もしていた。
2)世界庭園エリアには34の庭園がある。台湾の「竹づくしの庭」、オランダの「エコ都市のすすめ」、ブータンの「幸せの庭園」、タイの「ラン温室」、アメリカは内容ないけど「頑張った庭園」、みたいなそれぞれの思いや工夫が感じられた、にも関わらず日本から出展された3庭園(3ブース)はなにも感じるところが無かった。技のすごさもメッセージもなにもない。これは僕が日本人だからか・・・と思い観察するが、結果はその来園者の数が物語る。ほとんどの人が素通り状態。残念。日本の出展者はこの実態を見るべし。

さて、全体総評は・・・庭から受けるプラス感動よりも、人の多さにマイナスイメージ。いやいや大変疲れた。でも行ってよかった。こんな印象とは別に開園1ヶ月少しで来場者数200万人突破のニュースを聞いてこれでいいんだと思った。(一日平均55,000人!)
最後に花茶殿でいただいたお茶(金宣茶)は大変に香り高くおいしかった。【2010/12/11】

2010台北国際花卉博覧会情報 http://www.2010taipeiexpo.tw/MP_6.html

2010/11/23

晩秋のひまわり

 はるかに夏も過ぎ、あの頃の暑さも忘れてしまった。すっかり冬の気配も近づいているのに一面のひまわり畑。このひまわり畑をみても暑さを感じないのはどういう訳か、まったく不思議である。減反の田んぼにコスモス畑はよく見るが、ひまわりとは恐れいった。陽光の方向にすべての花が向いている。つまり道路から見ると全部の花がこちらに向いていることになる。ここのところの寒さで少々元気がないようだが、まだまだ見れる。後ろの山は八幡山。@近江八幡

2010/10/30

森の世代交代

 京都では、ナラ枯れ(=カシ枯れ)といってナラやカシの木々の枯死が目立っている。その被害は大変なものである。これはカシノナガキクイムシ(養菌性のキクイムシ)と言う名の甲虫が特定の樹木に集中して穴を開けて中に卵を産み、そして夏に一本の木から7千以上の幼虫が羽化します。この幼虫が食料としてナラ菌を樹木内で培養する。樹木の幹の辺材部でナラ菌が繁殖した場合に、樹木の通水機能が破壊されて木が枯死する。京都府立植物園でも大径木が次々と被害に遭っている。今年夏についに大きなピンオークが枯死のために伐採された。するとどうだろう、木の樹冠がなくなりぽっかり開いた地面には陽光が射し、沢山の樹木の実生(みしょう)が芽ばえていた。親木であるピンオークの実生を始め、クヌギ、ナラガシワ、アラカシ、ウバメガシ、アカメガシワ、トベラ、ケヤキ、エノキ、ネズミモチなどなど、中には近くにないナンキンハゼまであった。きっと鳥達が運んできた樹木の種子が一度に芽ばえたのだろう。その他、草本類も沢山生えている。この一部を除き、周りの樹林の下には枯葉ばかりで苗木なんて全然ない。これも森の世代交代と言ってもいいかもしれない。でもドングリをつける樹木が短期間に、しかも多量に枯れた時に、その種子を食料とする野生動物にとっては死活問題だ。山野に多様な樹木が、多量に生育する環境が不可欠である。この食料問題は、野生動物の問題ではなく、明日の我々人間の生活にも置き換えられる。@京都府立植物園【2010/10/30】

2010/10/29

停車場ガーデン/時計のアーチ


 停車場ガーデンに時計のアーチがついた。これは国際ソロプチミスト小諸の認証20周年記念として、同団体から小諸市に贈呈いただいたもの。デザインは僕が、アイアンワークは鉄の作家・上野さん、レンガワークはガーデナーの和久井さん、の3名のコラボレーションで完成した。デザインテーマは「歴史を刻む」。場所は、朝夕の通勤・通学の人たちを毎日向かえ見送る場所を選んだ。国際ソロプチミスト小諸の皆さんにこころから感謝。【2010/10/28】

2010/10/20

ソバ栽培(42日目・満開)

 9月7日に蒔いたソバが満開になった、42日目。背丈は少々低いが花の付きは満足できる状態。花に虫も来ている。11月にはソバ実の収穫が期待できそうである。【2010/10/19】

2010/10/09

近江八幡・西の湖シンポジウム


 今日は恵みの雨か、テーマに即した雨か? ちょうど水環境を考える「近江八幡・西の湖シンポジウム」(主催:財団法人ハートランド推進財団)に参加した。午後1時から6時まで・・・つまらなければ途中退散と思ったが、興味のあった地域でもテーマでもあったので幸か不幸かこの5時間は昼寝にならずにすんだ。興味深い話を聞くことが出来たが少々残念で不満だった。なぜならば開催趣旨「西の湖の生物多様性を中心とした地域密着のシンポジウムを開催し、西の湖や水郷などの周辺地域の貴重な自然環境とその保全の重要性について考えるとともに、文化的景観を守るために、伝統的なものの価値を再認識することを目的とする。」とあったにも関わらず話題に上ったのは、西の湖のことばかり・・・素直に考えればこれはあたりまえ。しかし、西の湖を語る上で周辺環境の存在は大切である。西の湖の内湖は周辺を八幡山、丸山、白王の里山、安土のきぬがさ山など、低い丘陵地に囲まれている。丘陵地と水辺が連続するこの豊かな自然環境が生物多様性に深く関わっていることは明らかだろう。そればかりかこのシンポジウムで配布された写真集ばりのりっぱな冊子(これお金かかっているだろうな)にも周辺の丘陵地のことには触れられていない。冊子の表紙(写真上)の写真(西の湖の全景)は八幡山から撮影されている、そして西の湖の背景には安土のきぬがさ山があるではないか・・・にもかかわらずである、話題に一向にその周辺環境の存在が語られない。これは本当に残念である。今日の大きな疑問「なぜ周辺の自然環境は語られなかったのか?」だれか答えてくれないかな〜。最後に今回のシンポジウムの某スポンサー企業のプレゼンテーションは、活動自体はとても大切なことなのだけれど興味を持たせてくれる内容ではなかった。目新しくもない地域貢献の紹介よりも貴重な時間は最後の意見交換に回すべきと思った。【2010/10/09】

2010/10/02

農アート・農ライフ/Kikigakiコラージュ


ボーダレス・アートミュージアムNO-MAの地域交流事業「農アート・農ライフ」の2回目。今回は、浅小井地区(近江八幡と安土のほぼ中間地域)の「農」を親子三代農家の井上さんに案内していただき、見聞したことを「Kikigakiコラージュ」としてまとめる。井上おじいちゃんには「縄ない・しめ縄づくり」、お父さんには「作物案内」、お兄ちゃんには「農機具案内」をお願いした。僕はお父さんの「作物案内班」。ちょうど大豆、黒豆、小豆、トウモロコシの収穫を間近にひかえた畑でそれぞれを「生食」で頂くことができた。これには子どもたちも楽しめた。経費節約で肥料も農薬も与えない畑には、昆虫も沢山、葉っぱのほとんどは食い。しかしその場で収穫物を味わえたことは幸せにつきる。数日後に収穫をむかえる生トウモロコシの甘さは格別、新しい品種として救世主となるか・・・その名も「ゴールドラッシュ」!午後は、集落の中心でもある「湧水広場」での利酒ならぬ「利水」大会と午前中の見聞を一枚のボードにコラージュした。3班それぞれの仕上がりだった、難しくコラージュと言っても、それぞれが思い思いのことを描けば自然とコラージュとして出来上るのだった。お天気にも恵まれ楽しい一日だった。@浅小井、近江八幡市【2010/10/02】