仕事帰りに近くの岡崎公園を散歩する。昨日とはうってかわって肌寒い雨天。今日の雨で紅葉する樹々の下にそれぞれの色鮮やかな円模様が出来上がっている、落葉が雨で濡れて飛ばないので雨は雨でいい。トウカエデの並木でおもしろものを見つける。トウカエデはきれいな紅葉で公園や街路樹ではよく使われる、そのトウカエデの並木の中に一本だけ黄色の葉をつけたトウカエデがあった。地面に出来た紅色の円模様に一本だけ黄色の円模様。同じ種類の木なのにこれだけ色が違う。これも木の個性(*1)だろうか。普段、夏や冬には気づかない木の個体・特徴を見ることができた。だったらトウカエデの並木に紅葉する個体と黄葉する個体を交互に植えると秋におもしろい季節変化が楽しめるかなとも思った。他の樹木でも、例えばシラカシは春の芽立ちに緑芽と赤芽の色違いがある、ユズリハは葉柄(よいへい:葉の付け根の軸の部分)に赤軸と青軸(あおじく)がある、このように同じ種類の木でも個性がある。ほかに「このミカンはすっぱい!」も木の個性。僕たちは木の種類ばかり気にして、木の個性を見ることが苦手なようだ。
僕たちは春の新芽や秋の紅葉、樹々と季節の変化を楽しむ。これは植物学で言う「生物季節学:フェノロジー=Phenology」を楽しんでいることになる。今までなんとなくぼんやりと見ていた庭木や街路樹の個性が際立つ季節を楽しもう。【2008/12/05】
Photo :手前が紅葉、奥が黄葉の落葉が作った輪模様 @京都市岡崎公園、奥の建物は京都市立美術館
*1:木が植えられている土壌や位置(風当りや、日照条件)によりけっこう変化が出ることもあります。
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