2012/11/14

企業の環境貢献の姿

 今回、訪れたのは、伊那谷(長野県南部、天竜川に沿って南北に伸びる盆地)に根付く企業の環境貢献をみる。養命酒、かんてんパパ(伊那食品工業)、KOA(コーア)。どの会社も周辺の森を守り、少々本業とは異なる活動をしているが、それが地域の魅力の増幅、社員や訪問者への満足度を高めていることは確実。環境保全としての森づくりも半端ではなかった。新幹線の車窓から目にする最大手の工場の芝生とケヤキの緑地なんて比較にならない。歴史はともかくとしても、その緑地の考え方には大きな隔たりがある。
 特にKOA(コーア)という抵抗器を製造している会社が興味深い。「~地域雇用~信州伊那谷のお百姓がお百姓として自らのふるさとで生きていけるようにとの願いで創立された、抵抗器という小さな電子部品を製造する会社」である。会社への誘導案内(看板)はおろか、玄関に社名看板も一切無いなかった。工場の存在は周辺の農地から眺めると、畑の先にある小さな森にしか見えない。でもこの森の中に抵抗器の製造工場がある。また養命酒では数人の樹木医が社員として森林環境の保全にたずさわると聞いた。 数年前に建設された「養命酒の森カフェ」は間伐を行った林の空間に上手く移築された蔵(一部新築)である。もちろん、かんてんパパ(伊那食品工業)も優れた沿道景観を維持している。本社屋のそばには、森の維持管理のための器具倉庫があり、大小さまざまな機器が整理されたいた。しかし、以前より道路沿いの看板が少し増えていたことは残念。
 伊那谷は大変に面白い企業が健全に存在し、環境保全,沿道景観づくりを積極的に行っていたが、一方新しく入ってきた企業が個々好き勝手な看板を掲げたり、建物を建てたり・・・なかには「○△葬儀場〜霊安室あります」なんて大きな看板があったりと。今が考えどころとといった様子だった。写真:養命酒の森【2012/11/14】

0 件のコメント: