近江兄弟社学園のヴォーリズデイ(学園の文化祭的な行事)に参加させて頂いた。小学校保護者の方々と「草木染め工房」(*1)を開いた。メニューは二種類、「桜の秋葉染め」と「セイタカアワダチソウの花色染め」。桜の葉(学校の正門)とセイタカアワダチソウの花(近くの河川敷で採集)の煮汁(染液)で木綿のエコバックを染色した。媒染液の材料は小学校の水田から集めたワラ灰とミョウバン。材料は出来るだけ学校とその周辺で簡単に入手できるものにこだわった。結果は写真を見ての通り、材料も条件も同じなのに作者ごとに違う色と模様がとても面白い。(Photo : 黄色がセイタカアワダチソウ、赤茶色が桜葉。桜葉染めのバックは桜餅の香りがします。白い部分は輪ゴムで絞りをかけた部分。)
簡単に出来るので庭の落ち葉や剪定した枝葉でも試したい。方法を簡単にご紹介します。1)染液をつくる:まず鍋に枝葉(枯葉、生葉・生枝を問わない、でも泥や汚れは洗っておく)と水を入れて20〜30分ぐらい火にかけ、煮汁が出たら枝葉などをザルで漉し、残った煮汁が染料となります。2)媒染液をつくる:灰が手に入ればそれを使い、なければ薬局でミョウバンを買って(大きめの洗面器にティースプーン一杯ぐらいをいれ水が透明になるまで撹拌する)それぞれの水溶液を作っておきます。なければ無媒染でもかまいません。3)染める前に:布は事前にお湯で十分に洗いのり等の不純物を取っておく。布を輪ゴムで縛ることによって模様もつくれます。4)染める:布を作った煮汁(染液)に漬けます(ナベを火にかけたまま15〜20分)。5)媒染:布が十分に染まったら良くしぼり、別のお鍋に用意しておいた媒染液の中で5〜10分程度振るいゆすぎして発色させます(この時にまんべんなく布を液の中で泳がせるとムラが出ない)。5)最後に:布を水でゆすぎ、絞り、干す。乾いた後にアイロンをあてる。アイロンで熱を与えると変色する場合もあります。どんな色に染まるかはお楽しみ(*2)。染めの作業はほとんど料理の世界。庭いじりは植物を育てること以外にもこんな愉しみもあった。皆さんも一度、お試し下さい。
【2008/11/09】@滋賀県近江八幡市近江兄弟社小学校
*1:「染め」は古来より草木や泥を染料としたものだから「草木」という現代の言い方に抵抗がある、しかし今回はあえて「草木染め」としました。現代の染めを「化学染料染め」と言う方が正しい。
*2:草木染めのテキストを読むといろいろなことが書かれていますが、あくまでも庭の愉しみの延長なのでこの辺りはこだわりません。むしろ自由に楽しみたい。
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