2008/11/07

環境カウンセラーと五十鈴川

環境省が定める制度に環境カウンセラーというものがある。環境カウンセラーとは、市民活動や事業者の中での環境保全に関する専門的知識や豊富な経験を有し環境保全活動に関する助言などを行う人材として、環境省が審査を経て登録するものである。僕もこの環境カウンセラーの端くれで、今年度末までに更新をしなければならない。さてこの更新は3年毎必要であり、3年と言う期間中に少なくとも一度の研修を受けるべきとされている(以前は更新の必要条件だった)。今年も全国の主要な地域で様々なテーマで研修が行なわれているので自分が求める内容を選び研修を受ければいい。僕は「生物多様性」をテーマにした名古屋での研修に参加した。会場は「国際会議場」と称するすばらしい建物であり、参加者数に有り余るほど広く、時期外れの冷房を効かせた部屋が用意されていた。環境問題を語るには面白い。ところが、研修の内容はメインテーマである「生物多様性」はかすっただけ、環境カウンセラーに求められている専門知識を実践として活かす内容にそったものともほど遠いものだった。その内容は、行政の考える環境教育施設の紹介に終始した。施設の将来構想といえば既に海外の環境教育系の施設が相当前から実践しているものである。どこにも独創性や先進性が感じられない。研修とは名ばかりの表面的なものだったことは残念。唯一、地元の方の実践発表は面白かった。やはり紆余曲折の永年に渡る活動は興味深い。結局、研修の終了を待たずに会場を後にすることにした、研修担当係の方に名札とアンケート用紙を渡すと「ここで帰ってしまうと研修終了証書の発行が出来ませんよ・・・」と。そんな研修終了証書の発行のことよりも研修自体のあり方を見直してもらいたいと思った。それに僕は研修終了証書なんて興味がない(もちろん興味がある人もいるだろうけど)。それよりもこの機会に伊勢神宮の森に是非とも行っておきたかった・・・、名古屋から伊勢神宮に向う。十数年ぶりに訪ねた伊勢神宮の森と五十鈴川は、期待を裏切らないすばらしさだった。たった数時間だけだが紀伊山地を源にする川の流れと周囲の森を歩き、身を浸すことは、あのすばらしい国際会議場でいくら時間を使ったとしても得られないものがある。まさにここには「生物多様性」の森があった。つまらない机上の研修よりも、ここの森を歩くほうが質も実もある。おまけにおいしい「赤福」もある。【2008/11/05】@伊勢神宮・内宮・五十鈴川

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