2012/12/25

プロの仕事ではない、よく見る光景

 自宅の近くに新しくマンションが建設された、年内竣工に向けてだろう最後の作業がされていた。そんな現場を通り過ぎて「ここでもか」という光景に出くわす。ネコの額程にむちゃくちゃにツツジと西洋シャクナゲなどの灌木が植えられ(これは造園屋の仕事)、しかもその植え込みに設備屋が脚立を立てて明らかな手直し作業を行っている。設備達に踏み荒らされた灌木は無惨にもぺちゃんこになり、中には株ごと抜かれ道ばたに転がっている、そんな株には根があらわにな土などついていない。近年の職人は他人の仕事はどうでもいいらしく、他の職人(もっともここでの造園仕事の質も最低だが)が終えた仕上げをなりふり構わず汚していく。結果としてコストパーフォマンスどころか品質に大きな欠陥が生じることになるだろう。これはもはやプロの仕事ではない。建築全体を見るまでもなくその質が見て取れる。街場のマンションといえども建築家(建築屋かな)はいるはずである、この現場を許す建築家の質も疑わしい。そのつけは誰が払うのだろうか。この商品を受け取るのは誰なんだろうか。今の時代、残念ことにこんな現場が多すぎる。こんな現場を見ると本当に悲しくなる。仕事柄、道を歩いている、車に乗っている、電車に乗っているでも緑の様子や、他者問わず造園工事の様子が否応無しに目に入ってくる、気になるものである。先日、友人の歯科医が言っていた「話している相手の歯の状態が気になるし、判る・・・」。これがプロなんだと思った。【2012/12/25】

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